SSブログ

Sunshine Evoke Vibration And Fever From Cells

5月12日  盛岡の最高気温は22℃と暖かな日曜日だった

ロードバイクで80kmを走行した
距離は短いが風が強かったしアップダウンが連続するルートを選択したので
筋肉には疲労が漂い熱を生んだ


帰宅後にシャワーを浴びた
疲労と熱に倦んだ脚の筋肉が太く重く感じた
着替えて外に出た

半袖Tシャツ、クロップドパンツ、素足にサンダル
陽射しを存分に、自在に浴びる作戦

日差しが全身に降り注ぐ 
光をはらんだ強い横風も心地良い

次第に全身が拡散していく感覚
太陽光が 毛髪、爪、皮膚の表面から浸潤し
深さ1mm未満の表層にある細胞が微振動してざわつく感覚

液体中に浮遊する微粒子が不規則に運動する現象は…?
そうだ、「ブラウン運動」だ
全身の細胞が「ブラウン運動」を始めたようにざわついてる感覚

無数の小さなとても小さなヒトたちがボクの内部に入り込み作業を始めた
マーチング・バンドのようなテキパキとした無駄な動きのない作業
バレエ作品のグラン・パ・ド・ドゥのように優美で繊細で破綻のない作業

細胞群をビリヤード台に載せキューで効率よく突くと細胞同士が衝突し発熱する
細胞群をピンボールマシンに入れフリッパーでヒットすると細胞は幾何学運動を展開し振動する
大きな業務用たこ焼き器に並べた細胞群を陽射しで熱せられた順に手際よくひっくり返す
細胞群は振動し発熱する


熱力学で、物体や熱が混合し絡み合う「乱雑さ」はなんだ…?
そうだ、「エントロピー」だ
AとBが混合して、ついにはAとBが識別できなくなる、そしてAとBは一体化する
ボクの細胞群のエントロピーがどんどん大きくなっていく
「乱雑さ」が大きくなっていったんだ


ボクの細胞群のエントロピーが増大し陽射しと混合し風と絡まる
肉体を保有する感覚が霧散し
陽射しと風を皮膚に受ける感覚が霧消する
ボクは陽射しと空気と溶け合い同化した

SDIM1311@.jpg


ボクの影です、ただの影です
ボクのエントロピーが大きくなり、陽射しと風と同化したとしても
まさかボクがこんなに「薄く」なったり、「色を失う」ことはないです、勿論

タンポポの黄色が眼に沁みた
太陽と風に祝福されているタンポポ



細胞がざわつく感覚になったとき、このリズムのこの曲が聴きたくなりました
ボブ・マーリーの曲を彼の「義理の娘」がカヴァーしています
Lauryn Hill 「 Turn Your Lights Down Low 」



こんなうららかなのに、エッジの立ったサンシャインな日
キンッと冷えた甘いアロマと爽やかな酸味のアルザスの白が、火照った身体に染みわたっていった
ミュスカ(Muscat)に祝福された夕暮れ



【蛇足】

学生のとき。ボクのアパートの部屋は乱れていた
床には文庫本、漫画、雑誌、音楽CD、服、タオル、その他諸々が複雑に折り重なっていた

友達が来ると必ず言った
「なんだよこの部屋、いい加減に片付けろよ」
「エントロピーがどんどん増大していくんだ。
もうちょっとエントロピーが大きくなったらモダン・アートのオブジェだね
でも、NYCのMOMAに永久収蔵されるわけじゃない」

殆どが外食だった。イヤ、部屋では食事しないことにしていた。
この状態で、汚れた食器や生ゴミが視界に収まるのは耐えられなかった。

「この部屋でどうやって寝るの?」
「立ったまま」
「ウソだろ?」
「ウソだよ」

「寝るのだってたいへんだろ、この部屋じゃ」
「生物は環境に適応するように進化するんだ。
問題は生物の進化が完成するにはボクの一生は短すぎる」

数年後。或る種の「社会」への参加を開始すると
エントロピーが大きい環境は不便だなと認識し始めた。

「大きくなったエントロピー」はボクの内部にだけ残した。
ときどき外に出たがるんだけどね...

ときどきだけどね。


※蛇足の蛇足
物理学に疎く不明なボクの文章です。
ブラウン運動、エントロピーとはこういう表現で用いる用語や現象ではないと思います、おそらく。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。