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Stand Up

ロードバイクで・・
ドロップハンドルの下側を持った前傾姿勢で長時間走っていると首が凝り痛くなる
ロードバイクから降りて・・"立つ"と・・首の凝りは楽になる



昔々のこと・・太古と原始の区別がつかない時代のことだ

闇が降り、辺りは静けさに包まれていた
僕等の"始まり"は洞窟の中にいた

焚き火を囲んでいる集団に、長老が話しかけていた
「我々は、火を使えるようになった、道具を使えるようになった
 言語を使いコミュニケーションと伝達する能力を手に入れた」
「・・・・・・・・」
「そして・・言語を使い"考える"ことを始めた」


「みんな・・首が凝らないか?首が痛くならないか?」
「・・・・・・・・」
「考える習慣を得た我々の脳が発達し・・頭が重くなったんだ」
「・・・・・・・・」
「両腕を前にだらりと下げたこの前傾姿勢では・・
 前に突き出した首では・・重くなった頭を支えるには不都合だ」

集団はざわついた "うん首が凝る"  "首が痛いんだよな、最近"

長老は言った
「立ち上がろう」
「・・・・・・・・」
「立ち上がって・・重くなった頭を首骨、背骨、腰骨、そして足で支えるんだ」

長老は・・声を大きく張り上げ、きっぱりと言った
「皆の者・・立ち上がるんだ!」

こうして僕等の"始まり"は直立二足歩行を始めることになった・・かな?


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長老は言った
「我々の脳は今後も刺激を得て、ますます発達し重くなる・・
 見る・聴く・感じる・・話す・・考える・・語る・伝える・・
 考える・・考える・・考えるんだ・・」
集団は口々に呟いた 「考える・・考える・・」

長老は皆をぐるりと見渡すと・・言った
「我ら・・"考える"一族の・・キャッチコピーをつくった!」
「オーッ・・・」

「 "我思う、ゆえに我あり" 」

集団から拍手がわき起こり、皆が大きな声で唱和した
「われ・・おもう・・ゆえに・・われあり・・・・・」

突然、1人の男が叫んだ  「ブラボー!」

「何だ、ブラボーとは?」
長老の問いかけに、男は怪訝な顔をして答えた
「何だか分からないけど・・つい言ってしまいました・・」

長老は満面の笑みで、こう言った
「"ブラボー"・・うんうん、良い響きだ・・これから我ら一族は嬉しいとき、感動したときは・・
 こう言うことにしよう・・"ブラボー"」

集団は歓喜の声をあげた・・それは大きな叫びになった  「ブラボー!」

「我思う、ゆえに我あり・・」  
「ブラボー!」

「首の凝りが楽になったぞ・・」  
「ブラボー!」

「頭の中をいろんな考えが駆け巡るぞ・・」  
「ブラボー!」

「"モノを語り"たくてたまらない・・」  
「ブラボー!」

「洞窟の壁を枝で叩くから聞いてくれ・・心躍るリズムを思いついた・・」
「ブラボー!」

「音律に寄り添い語るのじゃない、叫ぶのでもない・・そう、歌いたいんだ・・」  
「ブラボー!」


「オレは土や樹液で顔料を作ってさ・・洞窟の壁に絵を描くことにしたよ・・
 牛や馬の絵をさ・・それでね・・遠くの牛の角は短く見えて、近くの牛の角は長く見えるよね・・」

「確かにそうだ、遠くへ離れるほどモノは小さく見える・・ブラボー !!」

「オレは考えることにしたよ・・ほら同じ重さの木と石なのに・・
 水に入れると、木は浮かんで石は沈むだろ・・あれってさ・・・・・・」

「何を言ってるか全然分からないけど・・ブラボー !!!」



Bob Marley 「Get Up ,Stand Up」



【蛇足】

マルが椅子にすわっている
左前足を肘掛に乗せ、右前足でティーカップを持ちアールグレイを飲んでいた
「まあ、オレは直立2足歩行はしないけど・・椅子に座って"猫背"を伸ばすと・・
 確かに思索が深まる実感はあるよ」


長老に促されても・・最後まで立ち上がらないヤツがいた

「どうしてオマエは立ち上がらないんだ?」

「考えることが苦手なんだ・・」

「ん・・?」

「モノゴトを深く考えるのは苦手なんだよ・・」

「いくらそうでも・・首が痛くなって困るだろ?」

「首も肩も凝ったり痛くなったことなんてないよ、1度も
 あれっ?オレの脳は・・軽いのか・・?」

「・・・・・・・・」


椅子から床に降りたマルが欠伸をしながら、こう言った

「ソイツだね・・オマエの祖先は」

「・・・・・・・・」

ボクは椅子から立ち上がり、"猫背"な背骨を必死でまっすぐに伸ばした

マルは後ろ足で首を掻くと気持よさそうに目を細めて言った

「今・・オマエが1番深く考えてることはいったい何だい?」

「冷蔵庫には冷えたビールが入ってる・・とても頃合いの良い冷え方だ・・
 今夜は・・ヒラメのカルパッチョにするか・・?
 ホヤと胡瓜の酢の物にするか・・?
 それが、今1番ボクが深く考えてることだ・・」

マルは大きな欠伸を2度すると、小さな・・とても小さな声で言った

「ブラボー」


……With Friends

13.06.22(Sat)

17:00 銀座アップルストア前で友人達と合流
友人の職場の元大先輩、現在独立した書籍装幀デザイナーYさん参上

5人で歩きながらとりとめのない話をして築地へ移動
「蔵葡」 全員が初めて訪ねる店
酒販店が経営する日本産ワイン・日本酒・和食の店らしいい

飲み・喰い・話した


新宿ゴールデン街へ移動

飲み・話した


60才を過ぎたYさんは数年前に大病を患ったが無事に乗り切ったと・・聞いていた


乗り切り過ぎだよ、Yさん  相変わらず元気すぎだよ、Yさん

怪人・快人ぶりに磨きがかかってるよ、Yさん

人の話を聞かないで自分の話ばっかするマイペースぶりもブラッシュアップされていた

そして、言ってることがよく分からないのも・・全く変わっていなかった

面白いなー・・Yさん


海外で・・言葉の通じないオジサンから一方的に話しかけられ
言ってることは分からないけど
その表情・身振りから良い人だって分かるから・・立ち去ることができない
Yさんは、そんなヒト

マラケシュの市場でYさんに話しかけられても違和感は微塵もないだろう


久しぶりに会ったYさんから言われた
「大人になったよな・・人の話を聞くようになったもんな・・」

15年前、新宿ゴールデン街の酒場「G」に初めて行ったある友人が後日言った
「カウンターでさ・・隣り合った客同士が話してるじゃない・・誰も人の話を聞かないで、自分の話ばっかしてるじゃない・・あれって何なの?」
「だからさ、あれは"会話"してるんじゃないんだ、話してるんだ」

でも昔からボクは人の話を聞くほうだったけどな・・
Yさんよりは圧倒的に


自分が年を重ねオッサンになってみるとYさんの凄さが身にしみる

変なオッサンが変なままでい続ける凄さが身にしみる

Yさんは・・
人生の楽しみかた・面白がりかた・可愛がりかたのスケールが桁外れだ

Yさんの身体の中には"竜穴"があるんじゃないの・・?
歩くパワースポットなYさん

Yさんの写真を撮ってiPhoneの待受け画面にしたら御利益があるんじゃない?
iPhoneを取り出してYさんを盗撮しようとしてたら・・
「何コソコソやってるんですか?」 Mさんにみつかった
すごすごとiPhoneをしまったボク



銀座でみかけた…"レオン&マチルダ"

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新宿ゴールデン街

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ワタリウム美術館 「JR 展」

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Style Council 「Shout To The Top」



Yさんから 「大人になったなあ・・」と言われ
ちょっと寂しかったボク


【蛇足】

Mさんとの会話
彼女は中高一貫教育の女子校出身らしい
高校受験がないかわりに、中3で自由研究の課題があった

「あっ、オレも高校のとき理科の自由研究があったよ。
 研究テーマはね・・"逃げ水の研究"・・道路に這いつくばって観測してさ・・」

「ワタシはね・・何をやったか全然憶えてなくて・・だって20年以上たってるし・・そしたら友達みんなも忘れてるって言うから・・みんなで集まって見たんですよ、自由研究の本を」

「・・・」

「そしたらね不思議なんですよ・・20年前に1人1人が選んだテーマがね・・今の1人1人の職業とか生き方を予感させるテーマなんですよ・・」

「15才で興味をもつテーマはその後の人生のテーマでもある・・?」

「それでね・・ワタシのテーマだけが変なんですよ・・」

「テーマは何だったの?」

「・・・"サンタクロースはいる?いない?"・・」

必死で笑いをこらえた
Mさんはフリーランスのライター兼リサーチャー
いろんなことを知りたがりで、面白たがりな・・彼女

「それってさ、今朝書いた原稿のネタじゃなくって、15才のときの?」

「ハイ・・・」

「完璧にMさんの今を予感させる研究テーマだよ、それ!間違いないよ!」

「そっちはどうなんですか・・?」

「え・・?あっ、オレの"逃げ水"って何なんだよ・・?」

「ほら、幻が好きだから・・」

「・・・」


タグ:GR

Have A Good Sleep

羊が・・1匹

羊が・・2匹

羊が・・3匹

・・・・・・・・





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・・・・・・・・

羊が・・99匹

羊が・・100匹


Sara Vaughan with Clifford Brown 「Lullaby of Birdland」



【蛇足】


Z Z z z z・・・・・・




Blue Blade

'13.06.16 日曜日 13:00

いわて県民情報交流センター「アイーナ」

クルマの免許更新のため・・
アイーナ1Fの運転免許センターにいた

視力検査と顔写真撮影が終わると・・14:00 開始の講習までは何もすることがない

鞄から村上春樹の新刊本を出して読み始めたが、すぐにやめた
"静かなところで読みたい" そう思った

缶コーヒーのプルトップを開ける音に猫が振り向く・・そんな静かな部屋で


鞄の中にはデジカメが入っている
"よし、行くか・・"

外に出て、アイーナのファサードを下から見上げた・・

空に突きつけた"青い刃"のようだった


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2時間の長い講習が終わった

16:15 新しい免許証を受け取り、アイーナを出て駐車場に向かった

駐車場に停めていたクルマの右側に立ったボク

運転席のドアを開ける前に・・後ろを振り返り安全確認をしたのは言うまでもない


Phil Collins「 True Colours 」



【蛇足】

村上春樹さんの新刊本は、"色"が物語を構成するパーツとして使われるみたい…使われる予感…がした
数ページ読んだだけでよく分からないけど・・

ブレードのエッジのように鋭利な"青のアイーナ"を手でつかみ
すーっ・・と、線を引くと・・空の布が裁断されるような気がした

駐車場に停めてあった"赤い"クルマに乗り込み、駐車場を出た

18:00 "ベアレン・ビール"を瓶からグラスへ注いだ
"黄金色"の液体が揺れた

『その者蒼き衣を纏いて金色の野に降り立つべし・・・』
探したんだけど・・ビールの液面に立っている少女はいなかった


そして・・ボクの名前にも"色"がない


On Saturday Evening

'13.06.15 土曜日


遅い春が・・"アレッ"ていうくらいの短さで過ぎて
初夏まっさかりの盛岡
6月に30℃を超える真夏日が続くのはどうもなぁ・・

17:30なのにまだまだ明るい
左腕の時計で時間を確認しないと夕刻とは分からない陽差しのボリューム


#1 焼き鳥屋の看板

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とぼけたニワトリとセリフが気にいった
道路に面した看板は・・「そっち」
角を曲がると次の看板に・・「あっち」



#2 ちょっと裏通りの飲み屋街

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電柱についた何やらのこの装置と配線をみるとついつい撮影してしまいます
個人的にはSF映画「ブレードランナー」のイメージ
リドリー・スコットの映像にこんなシーンがあるわけないけど・・
脳内にはしっかり「Blade Runner」とタイトルバックが浮かぶ



#3 同じ通りの別ショット

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お店の前に椅子をだして煙草を吸ってるお兄さん
開店前の仕込みが一段落したのかな・・?



#4 The Beginning of " びっくりドンキー "

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全国展開してる「びっくりドンキー」の始まりが、この「ベル」



#5 桜山神社参道

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戦後ヤミ市から始まったとされる神社参道界隈の商店街・飲食店街
ハイキーで分かりにくいけど...奥に見えるのが鳥居の連なりです

ねっ・・神社の参道でしょ



#6 中津川のほとり

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川のほとりの細い道に面したカフェ
その前にベンチと机を出してジョッキのビールを楽しむ3人のオジサン達

いいなー・・"昼酒"

腕時計をみると18:00

そっかー・・"昼酒"じゃないんだね



Joe Walsh 「Indian Summer」



【蛇足】

Mac OS X 付属の辞書によると・・
Indian Summer:小春日和(米国北部やカナダで晩秋の暖かくて霞のかかった気候)
まっ、このとき頭の中を流れた曲がこれだから仕方がない・・


もりおか歴史文化館の前でやっていた「キャンドルナイト in いわて」
ペットボトルや再利用の瓶でつくったキャンドル・スタンドがイイ感じでした
でも写真は撮らなかった

だって真昼のような明るさだから・・


SIMAUMA

7月の日曜日の朝だった
リビングのソファにシマウマが座っていた
床に置いた鞄には、"たくさんのアフリカ"が詰まっていた



05:30 朝食を催促するマルに起こされ一緒にリビングに入った

マルがつぶやいた 
「やれやれ、今度はシマウマか・・・」


シマウマは40代半ばの男だった
短い黒い髪と筋肉質な身体 ランで鍛え上げられた身体だ
Dolce & Gabbanaの黒いサングラス
上下が黒の細身のスーツに、白のワイシャツと黒のタイ
モッズ・スーツを着たポール・ウェラーのようだった

シマウマをみていると違和感を感じる

マルがロールカーテンを上げ部屋の東から陽射しを入れると
違和感の正体が明らかになった
不連続のクロマキーのようなシマウマ
背景と融合せず浮き出たシマウマ

「君は中年男の見かけだけどシマウマなんだね・・」
「白黒だから?」
「そう」
「縞模様が見えるかい?」
「いや見えない。それに白黒縞模様の中年男は極めて稀だ」
「じゃあ・・・」
「君全体が白黒に見えるんだ。君だけがモノクロ写真のような色なんだ」
「・・・・・」
「本来は白黒縞模様のシマウマが、モノクロームな中年男になって現れたんだね」

シマウマは身体も身につけた着衣もモノクロームだった
白黒モノクロなシマウマが周囲のカラーと融合できなくて、不連続性な存在になっていた

「いいかい、1つ訂正しておくよ。
 シマウマの白と黒は白色カラーと黒色カラーであって
 白黒モノクロではない。ほら・・?」
ポケットからだして咥えた電子煙草を吸い煙を吐き出すと・・
それは"白色"の煙じゃなく、"白黒モノクロ"の煙だった


「じゃあなぜ白黒カラーの君が、白黒モノクロで現れたんだ・・?」
「僕はモノクロな存在じゃない、疑似モノクロな存在なんだ」
「・・・・?」

「僕に欠けてるのは"色"じゃないんだ、"彩度"なんだ」

「彩度が欠けた疑似モノクロな存在・・・?」

「君がカラー写真のファイルを"フォトショップ"で開いたとしよう。
 この写真を擬似的に白黒モノクロ写真にするにはどうする?」
「ん・・・?」
「彩度のスライダーを極小の左端まで移動させるだろ。
 色が失われなくても彩度が失われれば疑似モノクロームになる、だね?」

そう言うと、シマウマは床に置かれた鞄をボクとマルへ向け移動させた


キャンバス生地のとても大きな鞄
大きな子供でも隠れんぼができるくらい
小さな大人が隠遁できるくらい

「開けてみて・・」
ボクは鞄のジッパーを動かし開けてみた
「エッ・・」
周囲の空気が揺れた・・気がした
周囲の空気が華やいだ・・気がした
驚き・・あわてて鞄のジッパーを閉めた

「何が入っていた?」
「・・・たくさんのアフリカ・・だろ?」
「そうだよ。よかった、君なら理解できると思ってココに来たんだ」

鞄の中に入ってたのは、たくさんの色の気体だった
赤・緑・青・黄色・紫・橙…etc.

「"アフリカ色"の大気なんだね?」
「・・の、エッセンスのようなものだ」
「バニラ・エッセンスのような、エッセンス?」
「そう、ほんの少量で全貌を変えてしまうようなエッセンスだよ」

「運んでくるのに3ヶ月の時間が必要だった・・
 当然だが、時間の経過につれ色の彩度はどんどん落ちてくる」
野菜や魚の鮮度のコトのように彩度について説明したシマウマ

運搬過程で、"彩度計"で確認しつつ、僕の彩度を"アフリカ色"に加えながら運んできた
「3ヶ月も僕の彩度を抜き続けたら・・・」
「君は擬似モノクロな存在になってしまったんだ!」
「You've got it !」
「だから、鞄の中のアフリカ色は、君の彩度をつぎ足しつぎ足し作った
 うなぎ蒲焼のタレのように濃厚な・・」
「違う、濃淡じゃない彩度だ。鞄の中に入っているのは・・
 彩度を微細に調節した"アフリカ色"なんだ。
 それは・・原初の地上の色彩なんだ・・」


話し終えたシマウマにマルが聞いた
「何か飲まないか?麦茶なら冷蔵庫にあるけど」
「もっとカラフルなものが飲みたい!」
マルは小声で"ほらね"と言って右前足でボクをつついて、笑った

彩度豊かなオレンジジュースを飲んだ、擬似モノクロなシマウマは玄関に向かった
「帰るのか?」
「僕の役目は終了したからね」
「1週間後に戻ってくるまで鞄は開けちゃダメなんだね?」
「・・・何のことだ?」
「いや、いいんだ・・」

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リビングに戻ると・・
マルは冷蔵庫から取り出した野菜を床に置いた白い皿の上に並べていた

トマト・胡瓜・茄子・ピーマン・レモン・パプリカ

「ほら、鞄を開けてみよう」
目を好奇心で輝かせたマルが言った

鞄を開けた・・

「うわっ・・」
「ウワッ・・」

野菜の色が・・赤・緑・青・紫・黄色・橙が輝いた
鮮やかな彩度を・・"アフリカ色"を身にまとった野菜が色の光を放った

何よりも、マルの変化に驚かされた
顔の体毛は微細な階調まで見てとれた
グリーンの目とブルーベリー色の瞳が輝いていた・・


「オマエ、初めて観たんだろ?
 本当はこうなんだぜ、猫はさ」
それは、色彩がボクに送ったメッセージだ


それまで立っていたマルが前足を投げ出し、床に顎をつけ寝そべった
嬉しそうに目を細めて鮮やかな色彩を放つ野菜を観ていた

シマウマが言った言葉がよみがえった

「この鞄の中に詰まっている"アフリカ色"が
 君たちの"始まり"が・・
 アフリカで生まれた君たちの"母親"が・・観た色なんだ」

「ミトコンドリア・イブが・・観た"色"」


マルは歓喜の声をもらした

「これが・・総天然色・・」

「カラーなんだな・・」


Peter Gabriel & Youssou N'Doure 「In Your Eyes」



【蛇足】

鞄を閉じると、野菜は元の色に戻った

マルが冷蔵庫から違う野菜を取り出し持って来た
「さ、今度はコレでやってみよう」

マルが皿の上に置いたのは、ジャガイモだった

「ほら、鞄を開けてみよう!」

「ジャガイモ・・?」


KIRIN

6月の土曜の午後だった
キリンがやってきた、たくさんの幸福が詰まった鞄を持って



玄関から男の声がするので行ってみると
青いモルタルの床の上にキリンが立っていた

30代半ばの男だ
身長は175cmくらい 草食なのに筋肉が発達している
柔らかな黒髪が肩にかかっていた
黒いオークリーのサングラス
黄色のパイナップルが描かれた赤いハワイアン・シャツ
青のデニムに足元は赤のコンバース

キリンだな・・?
隣に立っているマルに小声で確認すると彼は尾を左右に振って同意を示した

男に言った
「君はキリンだね?」
「勿論」

キリンという名前の男じゃない、彼の本質・・いや実質がキリンだった
でも見た目は30代半ばの男として不審なところはない
話しながら上下の歯茎をむき出しにすること以外は

まぁ、ボクと会話ができる猫のほうが不審ではあるんだが・・


キリンの用件はシンプルだった
持ってきた鞄を1週間預かって欲しい、それだけだ

キリンは持って来たアルミニウムの鞄を床に置いた
とても大きな鞄だ
120号Figureのキャンバスが収まるくらい
'65年式アルファロメオ・ジュリアの1300ccエンジンが収まるくらい

キリンはポケットからゼムクリップを取り出すとクリップをまっすぐに伸ばした
クリップの先端を鞄の鍵穴へ挿入するとすぐに解錠した

「仕組みはシンプルなんだ。これは厳密には鍵じゃない。
 PCの光学ドライブからメディアが排出されないとき、よくこうしてクリップの先端を穴に入れ
 て押すだろ、同じ仕組みさ」
「・・・・・」

「ほら鞄を開けて見てごらん」
キリンはそう言うと、床に古いラジカセを置き"Play"ボタンを押した
流れてきたのは懐かしいピアノ曲

「クレオパトラの夢・・・」
「そう。でも鞄の中に入ってるのは・・"夢"じゃない。さあ、開けてみて」

ボクは鞄を開けて中をみたけ
あまりのことに驚いてすぐに閉じた

中には・・"たくさんの幸福"・・・が、ぎっしりと詰まっていた

「1週間だけ預かってくれ。それまでは2度と開けちゃダメだ」
「・・・」
「もしボクが戻らなっかたら、その時は君の好きにしていい」

どうしてボクなんだ?
ボクは・・砂浜で子供にいじめられてる亀を助けたことはない
ボクは・・地蔵の頭部に積もった雪を払い笠をかぶせたこともない

キリンが言った
「君の目で見て、中身は何だった?」
「たくさんの幸福」
「具体的には?何が入ってた・・?」
「・・・思い出せない」
「そう思い出せない、捉えどころがない・・」
「・・・」
「だけど、入ってたのは"幸福"に違いない・・そうだね?」
「そうだ」

「入っていた"幸福"は具体的なイメージを持たない。
 君は本質を感知したが、それを事物として認識できない・・」
「・・・」
「まあ・・仕方のないことさ・・ボクにはどうしようもないんだから。
 ただ・・ソレは僕にとって、本能的じゃない、刺激的じゃない、興奮しない・・」
「"幸福"は・・興奮しないといけないのかな?」

「・・・退屈でもいいのか?」

横に立っていたマルの尾は静止したままだ マルは同意していなかった

エピキュリアンで菜食主義のキリンは話しながら興奮していた
首を5cmほど伸ばすと歯茎を出して頭を振った

「クレオパトラの夢」の演奏が終わるとキリンは無言で出て行った


刺激的じゃない、興奮しない、退屈な"幸福"の詰まった鞄が青いモルタルの床の上に残された

ボクの横に立っていたマルが前に出てきてキリンが出て行った玄関のドアを見ていた

西から入ってきた木洩れ陽が床に影をつくる午後の出来事だ

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「キリンは戻って来ると思うか?」
「来ない」
「ボクもそう思う。それじゃこの鞄はどうする?」
「それはオマエへの贈り物なんだ」
「ボクには受け取る理由がない」
「それはオマエが決めることじゃない。それに・・」
「それに?」
「理由はあるんだ、きっと・・」

「1週間後に開けてみるか?」
「・・・」
「やめとく?」
「うん。開けるのは、ずっとずっと先・・そんな気がする」

マルは左前足の肉球を舐めながら言った

「大事にしまっておけばいい。そうすればそれは、オマエの宝物になる」
「退屈な幸福が?」


マルは大きな欠伸をして言った

"退屈な幸福” それ以上の宝物があるのか?


Bud Powell 「Cleopatra's Dream」



【蛇足】

ボクはリビングに戻るとソファに寝転ろんだ
さっきまで読んでいた本の続きを読み始めた

タイトルは『麒麟』

本を読んでいると、隣の部屋から金属的な音が響いてきた

隣の部屋に入ってみると・・
マルがアルミニウムの鞄に向かって前足を動かしていた


「何してるんだ?オマエ・・」

「爪を研いでるんだ・・」

「オイ!爪の先が鍵穴に入ってるじゃないか・・オマエ勝手に開けようとしてたな?」

マルは横を向くと・・大きな欠伸をした

「誤魔化すんじゃないっ!」

「・・・」


Salt And Fat

友人MのFBエントリはタイトルが「塩」だった

彼女の手描きイラストは・・焼き鳥、天麩羅、ざる蕎麦、とんかつ、刺身、豆腐
イラストには手描き文字で書いた、趣味の俳句が添えられていた

『夕凪や 通は なんでも 塩で食う』


ボクの高校の先輩H氏
最近、高血圧の薬を飲みはじめたらしい

居酒屋に男が5人、旧知のメンバーが集まり飲んでるときにH氏は言った

「なんか血の臭いがするな、うん、こりゃ血圧が上がってるな・・」
昔から妙な言動で知られたH氏だったが・・
血圧が上がると血の臭いがするなんてあるのか・・?

生活習慣病
担当医からいろいろと言われるらしい
「肥満はいけません」「塩分をたくさん食べてはいけません」「脂肪をたくさん食べてはいけません」

アジフライにソースをかけるボクを見た先輩H氏が言ってきた
「ソースかけすぎだよ、それ。あと3cm短くしたほうがいいよ、それじゃ塩分とりすぎだって・・」

3cmとは、ボクがアジフライの上に真一文字に引いたソースの長さ

3ヶ月前から塩分・脂肪分を徹底的に制限していたH氏
見た目は豪放磊落だが、健康管理には神経質になっていたH氏

ボクらが料理に醤油ドボドボ、ソースじゃぶじゃぶかけて食べるのを見ては眉をひそめ
揚げ物連続オーダー6連発を見てイヤな顔をしていた

レモン・サワーのジョッキを何杯も空にしていくH氏

「酒はいいんだよ。知ってるか?酒にはな塩も脂肪も入ってないんだよッ」
酒に塩も脂肪も入ってないのは誰でも知ってるけど・・高血圧に酒はいいのか?

H氏は・・相当に酔っていた


酔眼でメニューを睨んでいたH氏がアジフライを注文した

運ばれてきたアジフライにたっぷりソースをかけた
間を置かず、醤油を重ねてたっぷりかけた

アジフライにはソースと醤油のどっちをかける?
1時間前に議論していたボクらをあざ笑うように両方をたっぷりかけた


アジフライをバクバク食べ始めると・・H氏は叫ぶように言った

「塩は旨いっ!脂は旨いっ!
 我慢できないんだよ・・こんなに旨いんだから。
 仕方ないんだよ・・これはDNAの仕業なんだ!」


岩手県山田町産「醤油」
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岩手県山田町産「牡蠣の燻製オリーブ・オイル漬け」
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塩がそんなに美味いか?脂肪が大きな声を出すほど美味しいか?
H氏は塩分制限食・脂肪制限食のストレスがあったから美味く感じたんじゃないのか?

「DNAの仕業だ」ってなんだ・・?

ボクは酒を飲むのを中断し、iPhoneを取り出しネットで調べはじめた
検索ワードは、塩・脂肪・人体…etc. 

塩(塩化ナトリウム:NaCl)
ナトリウムイオンが、細胞膜に「活動電位」を起こす  
うん?何これ・・
活動電位は"動物"の本質的必要条件である
神経細胞ネットワーク間の情報伝達に活動電位は使われ
神経から筋肉へ情報として伝わった活動電位は筋肉を収縮させる

うわっ、塩ってスゲー大事なんだ

それじゃ脂肪は・・・

動物の活動に必要なエネルギー源は脂肪酸で、普段は中性脂肪として皮下脂肪や内臓脂肪に貯蔵され
必要に応じて中性脂肪から脂肪酸へ変換される
コレステロールは細胞膜やホルモンの原料となる

これは凄いことになってきた・・まさか塩と脂肪がこんなに大切だなんて
塩と脂肪がなきゃ動物でいられないんだな・・

その塩と脂肪が美味い・・?

ははー、このカラクリを操っていたのは"ヤツ"なんだな・・

動物の存在・生命維持には欠くことができない塩と脂肪
それを美味いと感じる

生命維持のため、動物が塩と脂肪をせっせと食べるようにするにはどうする?
美味しいと脳に知覚させなきゃいけない・・
それも、飽きずにせっせと食べたくなる美味しさだ

不味いと感じて食べなくなっら動物は存在できなくなるから

これほど、巧妙で精緻で、しかも大胆な"仕掛け"が出来るのは・・
やっぱり"ヤツ"だけだ

「塩と脂肪がこんなに美味いのは・・・DNAの仕業なんだ」


FatBoy Slim 「Right Here Right Now」



【蛇足】

「塩と脂肪がこんなに美味いのは・・・DNAの仕業なんだ」
妙な言動で知られるH氏には珍しく切れ味鋭い洞察と表現だった


H氏は語りだした

「いいか、知ってるか?アメリカが日本へ輸出してる塩と脂肪がやたらと旨いのはだな・・
 アメリカの諜報機関が薬物取締の過程で発見したある物質・・」

「ちょっと待って、Hさん。
 アメリカの諜報機関はCIA、麻薬取締局はDEAだ!
 どっちもDNAじゃない!」

DNA(デオキシリボ核酸)について知ってる範囲で説明した
iPhoneで検索した、あのA・G・C・Tで構成される"2重螺旋構造"の画像を見せた

「よし分かった!
 オレの名前をローマ字で書くと名字にも名前にも、エヌ・エー(Na)が入ってるんだ。
 だからオレのDNAがオレを塩好きに・・」

「全然分かってない!」

「だって、ディーNAだろ・・?」

「DNAのNAは塩じゃない!」

「えっ、違うの?」

「・・・・・・・・」



Circle

ボクの目の前で寝そべる猫 マル
彼をみて思った、イヤ、想ったこと

円 丸 

昔、NHKドキュメンタリーで放映された手塚治虫の仕事場
彼はインタビューに答え・・
「年をとったら直線が描けなくなって、まっすぐ線をひけないんだよ。
 けどね、円ならまだ大丈夫、自信あります、コンパスを使わなくても
 完全な円が描けるんですよ、僕」
そう言って、彼は満面の笑みになった
その時ボクは、"おお神業"とは思わなかったが、手塚治虫の完璧さを思った

欠けることのない円(まる)を想った

子供の頃、こう思った
円は完璧に描くことができるのか?
コンパスを使って描いた丸は完璧なのか・・?
コンパスを使ってボクが描いた円には僅かに微妙な歪みができた

マンホールの蓋をみると思った
"この円は完全か?"
完全な円に見えないのは真上から見てないからなのか?
蓋の真ん中に立ったとしても、見おろした頭が前方にずれて真上から見おろせないよ
それより、蓋の真ん中が何処か分からないしな・・・

円は完全につくれるのか・・?

数年後に授業でアイツの存在を知った
"パイ"

π=3.141592653589793238462・・・・・
際限がない・・とらえどころがないんだ・・
円周=π x 直径だから・・
えっ、円周はとらえどころがないんだ・・
それじゃ・・円は不完全なの? 丸は不安定なの・・?


ミッシング・リンク(Missing Link) "失われた鎖"
人類における進化の過程で連続性の欠落した部分
類人猿から直立二足歩行人類へ飛躍的進化をとげた過程の化石証拠が乏しい
この化石証拠が欠落した進化過程の部分が
ミッシング・リンク(失われた鎖)


ボクは…リンクじゃなくリングだと理解していた
同じ軌道の円環の上を歩く猿人、原人、人類を頭の中に描き
その一部、つまり飛躍的に進化した謎の部分、欠落した円環の謎の部分が
"ミッシング・リング(Missing Ring)"だと思っていた

その欠落のために"閉じられない円環"だと、理解していた

しかしそれは間違いで、リングじゃなくてリンクだった

ボクの理解だとそれは、"進化の連続性(Link)"じゃなくて
"円環〜循環(Ring)"だった
「類人猿から原人~人類への進化」を生命の"循環"、もしくは"輪廻"のような概念で捉えてしまっていた

耳から"音"として入った言葉にボクの"落ち着きのない脳"は飛びつき反応する
そしてドリブルしながら単独でゴールをめざす
フィールドを見渡しパスを出すなんて考えもしない
"落ち着きのない脳"がドリブルを始める起点はほとんどがオフサイドだ・・
そして自分勝手なストーリーをつくる

生命の循環と輪廻の謎『Missing Ring』・・欠けた円環

何年もたって文字で言葉を目にする
こうして間違いが判明し、誤謬で欠けていた"円環が閉じた"


それでも・・"閉じない円環"は残ったままだった

人は何処からやってきて、何処へ向かってるのか?


『ほぼ完全な円』
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『非円形な丸? いや・・マル』
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ボクは勘違いする、頻繁に
"落ち着きのない脳"がオフサイドを告げるレフェリーのホイッスルを無視してドリブルを開始するからだ
サッカーボールの中は空気じゃない空想だ

友人Tが、小説「リング」をボクに勧めたときだ
Tはただの読書好きじゃない、手練れの読み手だ
彼が勧めた本を読んでみると、ほとんどハズレがない
しかし彼は、本の内容を説明するのは得意ではなかった

読書人としては"不完全な円"のような存在のT

「リング」について彼が語ったコトでボクの脳が反応した箇所は・・

『怖い小説なんだよコレ。特に貞子がスゲー怖いんだ』

ボクが想ったこと

スゲー怖い"ボクシング小説"ってなんなんだ・・?
貞子って・・? "ボクシング小説"で怖い女が重要な役割なのか・・?

間違いに気づいたのは本を読み始めてすぐだった
それは、ボクシング小説ではなく"ホラー"だった

ボクが勝手につくった謎は氷解した

『円環は閉じた』


Elton John 「Circle Of Life」



【蛇足】

『たま(玉・珠)』
完璧な例えや宝の例えにつかう言葉
傷無き玉:完全無欠なもの
掌中の珠:最も大切にしてるもの

うん。
玉は立体だけに円・丸より完璧感が高いし神々しさも感じるな・・

ん?
マルがボクをじっと見て、右前足を顔の前で左右に振って、こう言った

『ダメ、ダメ』

「何が?」

『名前を変えちゃダメだ、オレはこの名前が気に入ってるんだ』

「・・・・・・?」

『"タマ"はイヤだ!』


Watch Me In Finder, Shoot A Film

ウチの猫  名前はマル

カメラを向けるとソッポを向く彼
彼に近寄る 正面に移動する サイドに張り付く
走って逃げるマル

こっちに来いよ マル


それまでソッポを向いていたマルが近寄ってきて話し始めた

『ホン(脚本)は?スターのオレが納得できるストーリーか?』
「ないよ、そんなもの、映画じゃないんだ」
『・・・仕方ない、ホンなしでいこう、ドキュメンタリーだ』
「・・・」
『オレはスターだ。オレの日常をカメラで追えば作品になる』
「・・・」
『オマエが手に持ってるのは何だ?』
「デジカメ」
『フィルム・サイズは35mmで秒24コマだな?』
「だから、映画じゃないんだ。コレはコンパクト・デジカメだよ。
 動画も撮れるけど撮るつもりはない・・」
『そんな小さなフィルム・サイズじゃ、スターはフレームからはみ出すぞ』
「だから映画じゃない。コレは写真を撮るカメラだ」
『スチル写真か・・、パンフレット用か?宣材用か?
 インタビューは嫌いだ。評論家どもはオレに近づけるな』
「・・・」
『まあいい。オレが動くからしっかりフレームにおさめろ。
 オレがOKを出すまでフィルムを回し続けろ、止めるんじゃないぞ!』
「だから、これは映画じゃないんだ・・」


ハンフリー・ボガート?
オレの演技に煙草と酒はいらない

ジャン・ギャバン?
オレの演技に食事のシーンはいらない

ショーン・コネリー?
オレの演技に拳銃も美女も必要ない

ダスティン・ホフマン?
オレは大学を卒業していない

ロバート・デ・ニーロ?
オレはタクシーが運転できない

アル・パチーノ?
オレの顔には傷がない

ハリソン・フォード?
着ぐるみの相棒と演技するのはゴメンだ


『オレだけを撮ればいいんだ。それが作品になるんだ』

オレが歩く、それが起だ
オレが走る、それが承だ
オレが欠伸する、それが転だ
オレが肉球を舐める、それが結だ

歩くオレを追え、それが動機だ
立ち止まったオレの全身を左から右へパンでなめろ、それがハプニングだ
フレームの中央にオレを固定しろ、それが主題(テーマ)だ

オレがスキップする  ファンタジーだ 
オレがジャンプする  アドヴェンチャーだ
オレがガリガリ爪を研ぐ  ホラーだ
オレが振り返る  ミステリーだ
オレが虚空をみつめる  サスペンスだ
オレが微笑む  ラブ・ストーリーだ

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ブルース・ウイリス?
オレの演技に危険はいらない


デンゼル・ワシントン?ショーン・ペン?レオナルド・デカプリオ?
ミッキー・ローク?フィリップ・シーモア・ホフマン?

オレは尊敬している


ダニエル・デイ・ルイス?ケビン・スペイシー?ゲイリー・オールドマン?

オレは憧れている


ライアン・ゴズリング?
オレは注目している



10ccが架空の映画のサウンド・トラックというコンセプトで制作した
アルバム『The Original Soundtrack』に収録されている曲
10cc 「 One Night In Paris 」



【蛇足】

『いいか・・映画は脚本と撮影と編集なんだって言うヤツがいるけど・・
 オレに言わせりゃ違うな、いいか・・映画はだな・・・』

ボクは机の上に置いてあった"猫じゃらし"をさっと右手に持つと
マルの頭上にかざして振った

マルは話すのを急に止めて、"猫じゃらし"に飛びついてきた

金曜午後2コマ目の『映画概論』は、こうして突然休講になった・・


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