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The Engine Of This Town

早朝に散歩  そしてときどき写真


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歩いていると・・

カラカラと回転する車輪の音が後から迫ってきた

大きな、直径1メートルくらいのガラスの球体が載ったカートが後からやってきた
ボクの脇を通り過ぎるときに見ると、カートを押していたのは三毛猫だった

「何をしているんだ?」

「ロジスティック。物流システムに組み込まれた猫なんだオレ」

「その球体を運搬中の猫なんだね。そのガラスの球は何なんだい?」

「エンジン。正確には、この町のエンジンの部品さ」

「この町のエンジンって?」

「この町を動かす熱機関に決まってるじゃないか・・」

「どういうこと?この町を動かすって、町が物理的に動いてるって言うのか?」

「動いてないって言うのか?」

「そりゃ、地球は動いてるだろうさ、自転とか公転とか・・詳しくは知らないけど」

「それじゃ君は、地球の機嫌がいつも同じだと本気でおもってるのか?」

猫が言うにはこうだ。
地球の機嫌が変わるのは「地軸の傾きと自転・好転の塩梅」だという
物理学的問題の要諦を塩梅と言ってのけた猫
この町にはエンジンが存在すると断言した猫
そのエンジンで「地球の塩梅」を微調整するという


この町の猫たちは路地にうずくまり地球の体温を感じている
塀の上に寝そべり日向ぼっこしながら太陽と地球の波動を感知している
欠伸をした後に眠る向きを変えるのは感知する方位を変えるためだ
耳で地球が発する音を捕らえ、髭と体毛で地球の波動を捕らえる
風のそよぎ、雲の流れ、梢の囁き、雨粒の旋律、雪の舞
地球が発するサインを猫たちは見逃さない

集めた情報は64ビットのシリコン・データへ変換しガラスの球体に詰め込まれる
地上から上に伸びる金属の茎の先端に球体は接続され、そして光るという
話から想像するとその形状は、「街灯」のようだが・・

ガラスの球体は「この町のエンジン」のCPUだと断言する猫

大きなエンジンを格納した倉庫の脇に、この球体を戴いた金属の茎が立っているという

猫は言った「倉庫の色はカスタード・クリームみたいなんだよ・・」
猫は「萩の月」を割った瞬間を思い浮かべてるのか、恍惚を表情に浮かべ眼を細めた



夕暮れ
夕闇の到来を空の青が一生懸命に押し戻そうと抵抗してるそんな時間
通りを歩いていた
「あっ、あった」


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今夜は妖しいパッションな曲を
Peter Gabriel 「 San Jacinto 」




【蛇足】
元々が幻想的な風合いを好む(?)ピーターガブリエルの中でもとびきり幻想的なこの曲

ミニマル・ミュージック好きのボクにはたまらない曲
心地良い酩酊感に包まれます


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