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【フムフム と ぐびぐび】


お久しぶりです。

以前何度かこのブログにイラストを描いてくれた金井真紀さんが本を出版しました。
初出版の縁起物です、どうか手にとってみてください。
縁起物です、表紙を撫でると御利益があるかも…。


フムフム.jpg

『世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑』(金井真紀)

楽しくて愉快な本です。
どう楽しくて、どう愉快な本なんだ? 知りたいですよね、そりゃ。
どう説明したらいいんだろ?
ちょっと不思議な本なんですよ、これ。

表紙のコピーにはこう書いてあった。
「世の中には、いろんな人がいるなぁ。海女、牛飼い、落語家、プロ野球の監督…88人の達人に会って、88回キュンとした実録集。」

朝日新聞の読書欄「おすすめ」の記事はこうだった。
「前略・・仕事の達人88人から聞き取ったエピソード集。お笑い芸人や牛飼い、振付師など仕事のジャンルは様々。そしてその極意に思わず「フムフム」。・・後略」

うーん。この記事じゃ今一つこの本の面白さが伝わらないな。文字数に制限があったとはいえ通常の紹介文じゃ、この通常じゃ手に負えない面白さが伝わらない。

あっ、そうだ。著者略歴が面白いんだよな。
金井真紀(かない・まき)
1974 年、千葉県生まれ。うずまき堂代表(部下は猫2匹)。 ライター、イラストレ―ター、放送作家、書籍編集、酒場の ママなどを稼業とする。任務は「多様性をおもしろがること」。 1年間に人の話を聞くこと約100回、耳のそうじ約200回、 お酒を飲むこと約300回。

ねっ。この面白い「著者略歴」をさっと書きあげる技倆の持ち主の著者が、人好きで面白好きの著者が見そめた達人のエピソードを書き上げたのが本書なのです。

著者略歴を読んで人柄を想像すると、雑誌ダ・ヴィンチの書評がこの本の楽しさを伝えている気がしてくる。
「前略・・総勢88人の達人たち。彼らの口からこぼれた経験と実感に裏打ちされた珠玉の一言。それをすかさず手のひらで受け止め、フムフム袋にしまった作者は
、後で袋を広げ「ほら」と見せてくれる。・・後略」


そして。ここからは僕のレビュー。
多様な職業88人の達人たちの爽快、愉快、不思議なエピソードの数々が軽な文章で綴られている。
達人1人につき割かれてるのはたったの2たページなんだよこれが。その2ページに、のほほんイラストと短い軽妙文章。
だから。達人の全貌や、職業の詳細には触れられていない。書かれているのは達人が語った数分間程度のエピソードなんだろうな、これ。なのに不思議、短い文章で綴られた簡潔な描写から達人がひょいと浮き上がる。達人の顔や仕草まで見えるようで、ふふって嬉しくなる。
達人から勘所・つぼを選り分け切り取り量は少ないが美味しい素材を皿にしゅっと盛り付けたエピソードの数々。選り分け切り取る感性が面白く、皿に盛り付ける文章が楽しい。この西瓜は端が旨いとなったら端を切ってだす、この魚は焼くときの匂いが一番となったら団扇でパタパタと扇ぐ。達人が発するほんの一言なのにじわりと心に効くフムフムと、エピソードを美味しく皿に盛るシェフ金井の手際の両方が楽しめる本書。
あとがきに書かれた89人目のエピソードまで読みおわると、この本が面白い理由に気づく…「そりゃ世界は面白い人間でできているからさ」って。
最後にはメッセージがさらりと風に吹き払われ人間(達人)の面白みが残り、ふふっとなる読書の楽しみがそっと残った。
最後に。「これは茶柱本ですぞ!」と、大声で営業活動。新刊本の爽やかな香りを団扇でパタパタと扇ぎながら……。
【茶柱本】読むと縁起が良くなる本の意。
【効能】機嫌が良くなる、朗らかになる、勇気がわく、心にスイッチが入る
    ビールが美味しくなる

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http://uzumakido.com/


そして金井真紀さん、初出版に引き続き今度は初個展。
『ぐびぐび俳画展』

ぐびぐび俳画展 のコピー.jpg

ホッピー.jpg


***


ナイキ2.jpg

靴を買った。
さあ夏だ。老いたりとはいえ男の子の夏は半ズボンだ。半ズボンになるなら足元はお気に入りの靴をはきたいところ。ああ靴が欲しい。

四角い大型スポーツ店の壁3面コの字型にずらりと並んだシューズの群れを端から見ていった。シューズの棚がどのジャンルかは確認しない。先入観をもたずに見ていき気に入ったデザイン・形のシューズを選ぶ作戦だ。
ああ…ボルダリングのシューズってソールが薄くてバレエ・シューズみたいでカッコイイんだよなあ。でもアレで歩いたら足の裏が痛いもんなあ…。
ある棚のアディダスのシューズに目が止まった。そばにいた女性店員に「運動以外の普段履きにもつかいたいんだけど、これの27cmはありますか?」と聞いた。
「これ普段は履けないですよ、アップ用です」の返事。
「・・・・・?」
「サッカーのアップ用です」
「・・・・・」
「ほら」と店員がシューズを裏返すとシューズの底に突起がついていた。
『この突起取れないの?』とは聞かない分別はあったから、笑顔でその場を離れ次の棚へと移動した。
あっ。かわいいデザインのナイキのシューズ!素材は何というのか…まあファブリックで…足首の部分がソックスのように盛り上がっている。というか、素材そのもがソックスみたいだ。うふふ、これに決めた。
手に取り念のため裏返しても突起はついていない。えへへ、やった-。
さっきと同じ店員に聞くと「これなら普段も履けますね」と笑っていた。
そこで初めてそこのジャンルを確認するとそこはランニング・シューズの棚で、手にしたシューズが置いてあった所の紙には「ベアフット・トレーニング用」と書かれていた。ほっほー。裸足で履くなら半ズボンのための靴のようなもんじゃないか。
むふふ。
そのシューズは上から見ると笹の葉のような細身のシルエットで、アウトソールも厚くない、全体にシャープな印象なのが気に入った。

普段ランニングのときはアシックスの初心者用シューズを履いている。分厚いクッションがついた幅広のシューズを履くと、どう見ても足だけが巨大だ。すれ違うランナーが履くエキスパート用の薄いシューズには憧れるが、あんなの履いて走ったら膝を痛めないか心配なのだし仕方がない。

『鉄腕アトムみたいだ』
道行く人たちがそう言わないかいつもヒヤヒヤする。

家に帰ると野菜を油で素揚げした。アスパラガス、茄子、パプリカ。油と熱で野菜の色は鮮やかになり、旨味は濃くなり、噛むとホクホクとした感触までが美味しい。冷えたビールがこれまたうまい!
1時間もすると足の甲の皮膚が突っ張るのを感じた。
ははー。大量のビールで足が浮腫んできたんだ。
床に投げ出していた裸足の足元を見た。

『鉄腕アトムみたいだ』


***


MANNISH BOYS(斉藤和義×中村達也) - 「GO! GO! Cherry Boy!」



斉藤和義「この曲はクロマニヨンズへのリスペクトやオマージュとかじゃなくて、もうクロマニヨンズなりたくて、パクリです」

そういえば。和義くんがカバーしている「雷雨決行」を教えてくれたのは
金井真紀さんだった。

「世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑」は面白いですぜ……パタパタパタ。



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