春よこい
春風に誘われて表に出たマルが大声で口上を語り始めた。
『知らざあ言って聞かせやしょう
春まだ浅い盛岡の、冷たい風ふく弥生には。
冬の名残か春の走りか存じませんが、梅も土筆も見当たらねぇ。
オリオン横丁お稲荷さんがコンと一鳴きする春の宵
コップ酒で頬ぉ赤らめる居酒屋の、男どもにも一目置かれる、
ししゃもで酒飲むサバトラ猫さ。
南部鉄瓶沸かせしお湯はちょいとアチチな猫舌だ。
右手傾げて春風招き、駘蕩たるかな大欠伸。
「にゃぁ」と一節唸れば梅もほころぶ春の歌。
不来方のお城のベンチに寝ころびて空をみつめし十五のオス猫。
うららかな春日を浴びて目を細め、塀に寝そべり毛づくろい。
小首傾げて佇むさまは、哲学者か吟遊詩人か、はたまた風来坊か。
弁天小僧マル之助たぁ俺がことだぁ』
大見得を切って「手招き」ポーズをきめるマル。
名調子でキメ科白を放った。
『はぁるよ こい はぁやく こいぃぃ!』
「いよっ!鈴ノ屋ぁっ!!」
「いよっ!マル大明神!」
タン・タン・タ・タ・タ・タ・タ・タ・ターッン!
『タラの芽の天麩羅がぁ あっ 喰いてえぇなあぁ!』
iPhone 5
シューズの上から履くオーバーソックス
最高気温6℃で今年初のロードバイク外乗り。
やっぱ外乗りは気持ちイイ。けど風で耳が冷たい。次回は対策必要だな。
X100S
***
ここからは。
ちょいと告知を。
いや露骨な宣伝です。
当「誰も寝てはならぬ屋」ブログにもイラストで参加してくれてる
M.K.女史@うずまき堂 http://uzumakido.com
女史はイラストも描くが、本業はフリーランスのライターというか…。
雑誌記事執筆、TV番組取材・構成・脚本書き…etc.何が何やらの仕事ぶり。
昭和風味のしっとり沁み沁み文章からテクノロジー系ネタも書く。
「はたしてイカ納豆にはワサビか洋芥子か?醤油かポン酢か?」で論文も書ける(おそらく)
という筆力の持ち主です。
しかして1番の特技は「世界を面白がり愛でること」
女史がもう一人の女性と新規事業をキックオフしました。
事業名(社名)は……
「SCOOP & PENCIL(スコップ&ペンシル社)」略してスコッペン http://scoppen.com
『東京都写真美術館の「植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ展」にて採取。
展覧会のサブタイトルは「写真であそぶ」でした。
本気で遊んでいる人の作ったものには、遊び菌が付着している…そしてそれは伝染する…』
(「SCOOP & PENCIL」ホームページより)
東京写美の2人展の少し前に某所で「植田正治のつくりかた」展がありました。
綿密に作りこまれた写真で知られる植田正治。
精妙に巧妙に……布石あり仕掛けありそして主題が結実する写真。
彼はどのようにして写真をつくったのか。
そして写真家 植田正治はどのようにつくられたのか。
写真にも写真家にも……物語があった。
スコップ&ペンシル社とは……
『スコップでモノに宿る物語を掘り起こし、ペンシルでそれを伝える』
小生はスコッペンの「アイデア出し」特約社員ということですが…
実態はスコッペンの「応援団」です。
M.K.「オレは応援団だからとか言って、ライトスタンドでビール飲んでばっかじゃだめなんですよ!」
マル「こいつに期待しないほうがいい」
M.K.「期待してるって誰が言いいました?」
C_BoY「・・・・・・・・」
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M市オリオン横丁の雑居ビルにある「S&P探偵事務所」は物語を調査する。
クライアントは丹精込めてつくった自慢のモノを持って訪ねてくる。
探偵はこの稼業を始める前から知っていた。
たたずまいが美しいモノには……
探偵がクライアントにかわって祝福してあげたい物語がつまっていることを。
調査報告書に書かれた物語はクライアントがまだ見ぬ人々の胸をもうつ。
THE BLUE HEARTS 「情熱の薔薇」