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ドカドカ賑やかに


僕のなかのキャビネットを開けてみた。
引き出しの中のインデックスカード『まく』をみてみると。


【走り】:煙にまく・尾行をまく

【旬】:酒に酔ってくだをまく・ ネジを巻く

【名残】:種をまく・水をまく


走りの時期に種を蒔くことなくことなく旬に花を咲かせることなくきてしまった
僕の時間をインデックスカードは言い当てていた。

旬を過ぎたオッサンの名残な僕はこれから種を蒔いて水を撒きたいと思っている。


先日18才の友人と話す機会があった。
「本の話」がしたいと言って訪ねてきた。
彼は本好きで…星新一からアルベール・カミュまで手当たり次第に読んでいる。
彼は肉体を鍛えるのが好きで休日には市営のジムで器具を使い負荷をかけている。
18才の男は充分すぎるくらい複雑で多様だった。


僕が30代になるまでインターネットは普及していなかった。
僕が今なにがしかの文章をブログに書くことができるのはネットがあるからだ。
何か分からないコトがあったら聡明な先輩や学徒に聞くことはない。
ネットで「検索」する。
多くの情報に触れると、それを単純化して理解しようとするところが僕にはある。
僕は「シンプル」に惹かれ…ときに酔う。
けれど。
シンプルの背後には多様性がある。
1人の人間だって手に余るほどの多様性をもっている。
僕はその多様性に耳を傾けたい。
多様性は複雑な味わいをもってくる。
甘味・塩味・苦味・酸味・アルカリ味・渋味…めくるめく組み合わせ。

シンプルな「まとめ」や「結語」の背後にある多様性にとても興味がある。


『単純な行為の後ろにある複雑な物語を味わいたい』


主義や嗜好でシンプルに括られた人間の中にある多様性に興味がある。

僕と18才の彼のなかにある多様性を因数分解したとき共通因数で括れない多様性を彼には話した。

あまり豊かではない「精神的辺境」の僕のなかにある……
「種」について彼に話した。



オレ&オッサン のコピー 2.jpg
(岩手県立水沢高校はいわゆる「バンカラ」風制服のヤツがいて…写真部員が撮ってくれたこの写真に僕と一緒に写ってるのは「バンカラ」な応援団員です)



昨夜僕は、18才のオレと電話で話した。
ときには自分のまいた種で翻弄されていた18才のオレと。

オレ「まだ小説を読んでるの?」
僕「うん。年をとっても…架空好きのままだ」
オレ「映画は観てる?」
僕「今日も観た。『人生の特等席』っていう映画」
オレ「うん?」
僕「ビックリするぞ。ダーティハリーはスゲー監督になるんだ」
オレ「音楽は聴いてる」
僕「うん、聴いてる」
オレ「電話の向こうから聴こえるのは……?」
僕「U2」
オレ「ちょっと感動した。まだU2を聴いてくれてるなんて」
僕「そうか……」
オレ「まだビートが好きなんだね?」
僕「勿論だ!」
オレ「書いてる?」
僕「ぼちぼちな」
オレ「×××は……?」
僕「まっ最中だ!」
オレ「……わるくない」
僕「……ん?」
オレ「アリガトね」
僕「……」
オレ「アンタみたいなジジイになるなら……わるくない」

僕は思った。
わるくない。
「仕事はなにしてる?」「今は幸せ?」とか聞かない18才は…わるくない。


マルが言った。
「『走り』の小僧の時に種を蒔かない、水を撒かないできたから…
いつまでたっても『旬』にならないままオッサンになっちまった。
そんなオマエの何が『名残』だ!
これからも『走り』の小僧のままでいこうぜ。
聖杯を手に入れた円卓の騎士はキッド(小僧)・ガラハッドだった。
小僧で、走りのオッサンで…ドカドカ賑やかにいこうぜ」





拙ブログ『誰も寝てはならぬ』を開始したのは昨年2月24日のこと。
今後もよろしくお願いします。

オリオン横丁のマコちゃんのような天真爛漫なジジイを目指してドカドカいきます。


『エッジ……ブルーズをくれ!』


U2 「Ordinary Love」




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