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Mr. NIAGARA (master of sounds)

イエーイ!
憶えてるかな…そうクリスマス・イブの海賊ラジオの再登場だ。
相棒はサバトラ猫のマルだ。マルがレコードプレィとミックス担当。
マルが音楽をかける、ボクが話す。この繰り返しだ。
ざる蕎麦のようにシンプルで、ミルフィーユのようにポップなプログラムなんだ。

今日1日だけの突然なプログラムだ。
RIP…rest in peace  大瀧詠一

音楽がステキであふれてることをボクにおしえてくれたミュージシャンなんだ。
音楽はリズムなんだってボクにおしえてくれたヒトなんだ。
音楽はリズムにつかず離れず寄り添うメロディがなきゃねっておしえてくれた。
歌はセカイの断篇をみせてくてる詞がなきゃダメだぜっておしえてくれた。
歌唱は詞を映像化することができるんだっておしえてくれた。

そうだ。
大瀧詠一特集のラジオだ!


大瀧詠一:1948年岩手県江刺郡梁川村生まれ。イエーイ岩手出身なんだぜ大瀧師匠は!
お母さんが教師の母子家庭でさ、お母さんの転勤で小学・中学は転校が多かったらしい。
自作のラジオでFEN(米軍極東放送)を聴いてアメリカのポップスにどっぷりとはまり込んだのが
中学のとき。
県立花巻北高校を1年で退学。
授業料が全部レコード代に消えて…授業料未納で退学。
うわあ!
当時の岩手で県立高校を退学って…しかも理由がレコード代ってさ。
いやあ大瀧師匠…ロックだよなあ。
作る曲はポップだけど…青春はロックだなあ。
その後、県立釜石南高校に編入してバンドを始めて…
早稲田の二文に入って細野晴臣と知り合ってと…
以下全部略。
コレ以降はファンはだれもが知ってる経歴だ。
どんな経歴かって…スゲー師匠だってことさ。


それじゃ1曲目は哀しいお正月の曲。
「春よ来い」
どうも…この曲調・ギター・ボーカルを聴くとリトル・フィートのローウェル・ジョージを
連想するのはボクだけかな?
ギャハハ。
大瀧詠一特集なのにローウェル・ジョージを語ってどうするって。
ファンキーなロックに日本的な叙情詩が展開される。
田舎から都会へ出てきた少年の孤独や望郷が描かれる。
ちょい横道・裏道に逸れた文化をサブカルといわずアングラといった時代があった。
寺山修司と唐十郎が殴りあったのが1969年で「春よ来い」が1970年かあ。
うん。マル、わかった曲いこう!

はっぴいえんど 「春よ来い」



***


大瀧詠一は優れた作曲者・歌手として知られてるが…
異能の録音プロデューサー兼エンジニアとしても知られていた。
その重厚な音作りは…あのフィル・スペクター直系の音作りとして知られていた。
なんといっても本人が直系を自認してたんだから。

フィル・スペクターの音作りは「Wall of sound」と言われた。
どうして”壁”か?
ボクの解釈は…音にとても厚みがあること
壁のように何度も何度も塗り固められて出来上がった音に厚みがあること。
フィル・スペクターは複数のテイクを重ねるオーバーダビングを何度も何度も繰り返して重厚なサウンドを作っていったんだ。
それじゃチョー有名な大ヒット曲をかけよう。

The Ronettes 「Be my baby」


それじゃフィル・スペクター直系の大瀧師匠の曲を聴いてさ
フムフム・ニヤニヤしてくれ。

大瀧詠一 「恋するカレン」



「恋するカレン」は大瀧詠一風味満載だよね。
ミラノ風カツレツ(コトレッタ)は…チーズを混ぜた小麦粉を衣にして
少ない油で揚げるんじゃなく焼く感じで…それにトマトソースで…
それじゃ。
大瀧詠一風味の音ってなんだろ…
いい? 間違ってたらゴメンね。ボクの勝手な解釈だから。
それはね。
鳴り物なんだ。太鼓や笛のお囃子なんだよ。
しかも音圧の高い。
大瀧師匠は打楽器を入れるの好きでしょ。
タンバリン、カスタネット、スレイベル、あとその辺のモノを叩いたりでさ…。
それと…「恋するカレン」ではピアノもアコギも打楽器のような使い方してるよね。
アタックの強い弾き方でさ、音の立ち上がりが速くってパーカッシブでしょ。
それで…そんな演奏の曲のときはピアノやドラムの音は音圧をあげてるでしょ。


それじゃ「恋するカレン」よりもっとさ…
鳴り物・打楽器・ドカドカドン風味の曲を!


大瀧詠一「1969年のドラッグレース」


大瀧師匠と同様にフィル・スペクターから影響受けてるしで…
大瀧師匠同様にリズム隊の録音にこだわりまくる…
ヤマタツ・センセーのこの曲を!


山下達郎 「アトムの子」(LIVE音源)



***


ずっと前から思ってたこと。
日本語の…言葉の発音がキレイなんだよね。
ボクだけが感じてるのかもしれないけど。
無声音ってあるでしょ。
カ行・サ行・タ行・ハ行…特に大瀧師匠のサ行がうっとりするんだ。
「…さ」とか。
情感豊かとか繊細とも違う…丁寧なんだよなあ「…さ」がさ。
うっとりするんだよな…。


大瀧詠一作品の作詞を手がけた松本隆の存在はとてつもなく大きい。
大瀧詠一の歌を聴いて歌世界の情景が鮮やかに繊細に浮かぶのは詞が松本隆だからだ。
言葉の選択、その選択された言葉の配置の妙・風合い・肌触り…

松本隆の詞の素晴らしさ特異さ…
そしてその詞を歌う歌唱に対する自信を…
大瀧詠一本人がこう語っていた。

『松本の詞っていうのはまばゆいわけだ。それを歌うっていうのは、どこが光ってるかどこが光ってないか、白黒映画の陰影の見せ方みたいなものに気配りしなきゃダメなんだ。それは水面がきらきら光ってるようなものだから。乱数で光る。だから必ずこの1行は光ってる、とかいうものじゃないんだ。それを表現できる歌手は世の中にそうはいないね。
(中略)松本の場合は1小節の中に白と黒の光がぱらぱらぱらって光ってるんだ。ここは明るい、ここは暗いって。そして、そういうふうに丹念に歌わないと詞が生きないんだ。生きないというか、さらなる魅力を増さないというか。自慢じゃないけど、オレは最初っからそれがわかってたんんだ。(中略)だから松本・大瀧作品で大瀧が歌ったものは絶対に飽きない。それはなぜかというと、キラキラ光る部分が毎回違うように、乱数になるように仕掛けてあるから。他の人が歌ってもああはならない。』

詞がキラキラと乱数的な陰影をもって光る2曲をつづけてかけるよ。


「雨のウェンズディ」



「カナリア諸島にて」



ねっ。
キラキラ光ってるでしょ。


***


それじゃ…もうここからは話さない。
曲だけどんどんかける。
オレのしゃべりはもうヨケーなだけだ。
マルが曲をかける、オレは話さない。
ざる蕎麦のようにシンプルで、ピーナッツのようにロックなプログラムだ。

曲ばっか流すけどさ…。
ユーセンじゃないからね…これラジオだぜ!
それじゃオレはここで引っ込む。

ホントはこう思ってた。
このラジオは大瀧詠一を体験したことのない世代のヒトへ
初めて聴くヒトたちへ…届いてくれないかって。

漫画の科白を入れる吹き出しをスピーチ・バルーンって言うんだ。
科白のはいった風船だ。
ほんとにそんな風船があったらさ…
映像が浮きでる彼の曲を1個ずつ風船にいれて空に飛ばしたいなって思って。
…それがこのラジオだ。
どんどん曲をいれた風船を飛ばすから…受け取って。
スピーチ・バルーンを受け取ってくれ!

もうホントに話さないから。
マルが曲をかける、オレはもう話さない…泣く。
ざる蕎麦のようにシンプルで、冷やした西瓜のようにポップなプログラムだ。
じゃね。


イエーイ♪♪♪

大瀧詠一 「スピーチ・バルーン」



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【蛇足】

『今泣いたカラスがもう笑う』が信条のボクですから…
気分をかえて


みなさん
明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします
楽しくて賑やかな年にしましょう!
「イエーイ」


大瀧詠一師匠の楽曲をもう1つ!

吉田美奈子 「夢で逢えたら」

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