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All You Need Is Love

愛がすべてさ・・
やっぱ愛がなくちゃね・・
All you need is love, all you need is love


「こらっ・・西郷さん・・あんたの座右はなんだ?敬天愛人だろ・・違うか?
だったらもっと長州に歩み寄ったらどうなんだ。
桂さん・・どうしてそう・・ひがむんだ?薩摩はもっと謝れってなんだ?
西郷さんはこれだけ頭を下げてるじゃないか・・もう勘弁してやれ。
ほら・・西郷さん、桂さん、右手を出して握り合うんだ・・早くっ・・
なにじっとしてるんだ、握ったら手を上下に振るんだってば・・
どうだ?気持ち良かろう・・西洋のシェークハンズは!
ほら2人とも歌えっ・・ほれ歌えっ!
ラーブ・ラーブ・ラーブ・・・ラーブ・ラーブ・ラーブ・・・」



Facebookに友達リクエストが届いた
名前を見てもピンとこない
ボクの知り合いにこんな名前のヤツがいるか・・知らない

友リク送信者の「基本データ」を見た

坂本 竜馬
生年月日;天保6年(1836年)11月15日
出身地;土佐  文久2年脱藩
職歴と学歴;文久3年 神戸海軍操練所  慶応元年 亀山社中  慶応2年 海援隊
恋愛対象;女性


TL(タイムライン)をみた・・
奇妙な内容の投稿
そして・・最後には曲のリンクを貼りつけていた
その男の投稿には・・
たくさんの「いいね!」と夥しい「コメント」が寄せられていた



慶応3年(1867年)6月9日

『夕顔丸に乗船中。ちょっと思案中のことあり。
うーん、困ったもんだ。みんなのための新しい国の形とはなんだ?
困った時はどうする?相談する・・そう、話し合えばいいんだよ。
1. 上下両院議会開設 
それからどうする・・よし・・2.憲法制定 3.不平等条約改正 ・・・
7.陸・海軍創設  8.通貨・外国為替制定
うん、この「八策」でなんとかなるだろ・・ならなけりゃ?
もう一つ加えてみるか・・・
9.ラブ

古いものには良いものがたくさんある、そして愛着もある。
だけど変わらなきゃならないものだってあるんだ。
身の丈に合わなくなった服は脱がなきゃならない、たとえ想い出のある服でもだ。
米国将軍ワシントンは世襲ではなく・・皆の要望と選挙でたちあがったんだ。
英国の謡曲集団ビートルは、古い慣習を捨て斬新なコード進行の曲で世界中から愛されたんだ・・』

Link;The Beatles " All you need is love "
君に必要なのはすべて愛なんだ・・愛が君に必要なすべてなんだ・・



慶応3年10月15日 

『大樹が大政を帝に還し奉ってくれた・・
これで・・この国にこれ以上の血を流さないですむ・・いや俺が流させん。
徳川慶喜様・・あんたは大政を投げ出したんじゃない。俺は分かってる。
この国には血を流していがみ合ってる暇はもうないんだ』

Link;The Beatles " Hey Jude " 
ヘイ、落ち込むなよ・・全てを一人で背負い込むことはない・・
ダー・ダー・ダ・ダ・ダ・ダ・ダー・・・



慶応3年11月15日

『こんな冷え込む夜は軍鶏鍋にするか・・今夜は久方ぶりに・・中岡もくることだしな・・・・・』

Link;The Beatles " Golden Slumbers "
かつてそこには故郷へと続く道があった
おやすみ・・愛おしい人、泣かなくたっていいさ
黄金のまどろみが君の瞳を満たし 微笑みが君の目を覚ます
おやすみ・・愛おしい人、泣かなくたっていいさ・・・



明治3年(1870年)11月15日

『おりょう・・と申します。
あれから三年がたちました。ここに少しばかり書かせて頂きます。 
無学な女が書く文章ですので、皆様のお目を汚しやしないかと案じております。
 
将軍慶喜公が大政を帝に還し奉ったあの日・・・
江戸の勝様からフェースブックにメッセージが届きました。
「とうとうやりやがったな竜馬。
気をつけろ竜馬・・武力倒幕で大政を奪取しようと目論んでた連中はいきりたっ 
てる。それだけじゃねえ、佐幕派はお前が徳川家を廃したって頭に血が昇ってる。
くれぐれも御身大事にしろよ、竜の字」

あの人はわたしに言いました。

勝先生もお年を召したか弱気でいかん
いいか、おりょう・・俺は強いぞ
 
俺はこの国を守りたいんだ。
守らなきゃいけないという使命じゃない、大事なのは・・守るという意志なんだ
そして・・守るのは理想なんかじゃない、現実なんだ
英語でいうところの・・リアルだ

失うわけにいかないのは・・過去や伝統じゃない、未来なんだ
そうだ・・リアルな未来なんだ
 
俺が守りたいのは藩でも日本でもない
国という名の「人々」だ
リアルな人、人、人だ

土佐で俺を心配してる兄だ、姉だ、友だ
そして・・おりょう、おまえだ
町を歩けば声をかけてくれるおじちゃんだ
野菜を買えばちょいと安くまけてくれるおばちゃんだ
そんなリアルな人たちの、リアルな未来を作りたいんだ
 
U2のボノも歌ってるだろ・・愛という名のもとに・・
俺が守りたいのは・・愛という名の「人々」なんだ
 
この世はごちゃごちゃいろいろ、とにかくたくさんたくさんたくさん・・

町にでてみろ・・誰一人同じ顔の人間なんかいない
薩摩に行ってみろ・・長州とは異なる思いをもってる人間だらけだ
伊達や南部に行ってみろ・・江戸とは違う暮らしがある
 
知りたいなら会いに行けばいい
分からないなら話してみればいい
 
横浜村に行ってみろ・・異人さんがたくさん歩いている
海をひょいと渡ってきた連中は、俺たちとは髪の色も、目の色も、皮膚の色も違う
世界はごちゃごちゃいろいろ、とにかくたくさんたくさんたくさん・・

いいか・・英語では多様性をバラエティーと言う

知りたいなら会いに行けばいい
分からないなら話してみればいい

世界はバラエティーなんだ
この国だがけ好きでも周りほっといてくれない、世界はバラエティーなんだから
世界はバラエティーに満ちてるんだ
世界はバラエティーでできてるんだ

世界は一つなんかじゃない、バラエティーなんだ
だから世界は・・こんなに面白いんだ
世界は一つなんかじゃない、バラエティーなんだ
だから世界は・・こんなに愛おしいんだ

いいか、俺は決めたんだ・・世界中を全部・・どれもこれも全部愛してやるって

おりょう・・心配するな、俺は強いから・・誰にもまけない
 
俺は・・
目を閉じていない
耳をふさいでいない
自分の足で立っている
掌にはたくさんの人に触れた記憶が残っている
両腕には力がみなぎっている
そして・・この世界を・・バラエティーを愛してるんだ
 
いいか、おりょう・・これがどういうことか分かるか?

俺が・・手ごわいヤツってことだ!

藩だ・?幕府だ・?尊皇攘夷だ・?佐幕だ・?武士だ・?公家だ・?
そんな分かりやすい問題解決に逃げ込もうとしてる連中に俺が負けるかッ!
ザマーミロ・・世界はもっと複雑なんだ・・バラエティーなんだ!


ああ・・今思い出してもカッコよかったなあ・・

もう戻っちゃこないんだけどね・・』

Link;The Beatles " Get Back "



TLの投稿はこれが最後だった

1枚の猫の写真が添えてあった
寒がりの坂本竜馬が着物の懐に入れ暖をとっていたという
京の大路で着物の襟をはだけて顔を出した猫を多くの人が目撃していた
猫の名は「まる」

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【蛇足】

マルがボクを呼んでいた

「ここに座れ・・あぐらじゃないッ正座だ・・手をついて謝れ」

「・・・・・」

「So-net ブログの皆さんに謝れ。
こんなに史実を歪曲するとはどういうことだっ!
つい先日・・夏だから怪談を書きたい・・なんて言ってたと思ったら・・
あのなぁ・・生存してない人間の話を書けば怪談じゃないんだからな!」

「・・・・・・」

「ほらっ!もっと頭を低くして謝るんだ・・
坂本竜馬ファン、歴史愛好家の方々に謝るんだ。
史実は曲げるは、昨日撮ったオレの写真を歴史資料だと騙るは・・このバカたれが!」

「・・・・・」

マルの口調がふいに変わった

「なあ、みんな。この一件、オイラの顔に免じて勘弁してやってくれねえか。
もっと下げろというなら、この老いぼれ勝麟太郎の頭ぁなんべんでも下げる。
こいつぁ馬鹿だ、平気で嘘もつく、だけどなぁ・・こいつが選んだ曲はぁ本物だ。
どうだい一つ、この曲をみんなで聞いてみてやってくれろ。
あの男が・・どこまでも・・まっつぐ生きた土佐の男が・・大好きだった曲だ。
ええじゃないかええじゃないかと囃し立てたって何も変わらねえって言って、野郎が好きで歌ってた曲
だ・・ほーら、ほんとに良い曲じゃねえか・・
だけどよぉ・・ラブってのは・・なんなんだい?
文政生まれのオイラにゃ今ひとつピンとこない。
竜の字はほんとうにラブが分かってたのかどうか・・
野郎はよく・・先生、こいつぁ方便だって・・けろっとした顔で笑ってた奴だったから・・」


The Beatles 「 All you need is love 」




a period

金曜日の真夜中だった

雨が降ってきた

はじめは、路上でダンサーがタップを刻むような雨音だった

それが突然

せき止めていたダムの放流のような・・空からの放流のような雨になった

空の水道局が水圧を上げて・・雨の蛇口をめいっぱいに開けたんだ

「うるさくて眠れないから雨の蛇口を閉めてくれ」


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こここまで・・

テキストエディタで文章を書きながら・・思った

いつものことだが今回もブログの文章には句点がない

句読点が苦手だからだ

ボクだって仕事で作成する文章には句読点を使ってる

コトの善し悪しは別にして・・履行しなきゃならないルールや大人の事情があるとすれば
「文章には句読点を使う」 これも大人の事情なのだろう

文意を過不足なく相手に伝えるために読点を意図的・効率的に打つ
ひとかたまりの文意が終了するときには文末に句点を打ち終了を告げる

うーん・・これが苦手だ
特に句点が


・・じゃなかったのか。 疑問形の文末に句点を打つと重くなる

・・青い。形容詞に句点を加えると風合いが損なわれる感じ

・・な真実。 もともとが偉そうな感じの体言止めなのに・・句点を打ったらなおさら偉そうだ

句点を打つと・・断言してるっていうか・・威張ってるように感じる

ハイこの件は終了・・だから終了なんだって・・断言するよ・・終了だよ句点を打ったんだから
そりゃ他にも意見はあるだろうさ、ただ効率的に文意を終えるには・・ここで句点なんだ
ハイハイ次の案件に移るよ
だからさ・・その案件はもう終わったんだ・・句点を打ったんだから


句点自身は威張ってるわけじゃないだろう・・つきあってみると意外に気さくなヤツかもしれない

句点に・・
言っておかなくちゃ
ボクは君が嫌いなんじゃない・・全然嫌いなんかじゃないんだ
ちょっと苦手なだけだ

道で会っても挨拶以外はかわさない知人のような存在なんだ


ボクが。思考を。展開す。る。。リズム。が。句点の。挿入で。で。で。。。

『なんだコレ・・?』

不必。。要な。句点。。が。画。面。に。。
出て。。。く。る。。の。は。。。どう。し。。て。なん。だ。だ。だ。。。?

ボクは思った
文字をタイプせずに心の中で・・こう思った

『この文章を書いてるテキストエディタ内のプログラムのどこかに・・
「句点の蛇口」があって・・その蛇口を句点のヤツがめいっぱい開けて
 それで・・大量の句点が蛇口から流れてきて溢れたんだ・・』
。。。
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「メーデー・メーデー・・大変だ・・助けて。。。。。。く。。れ。。。」
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テキスト・エディタの画面は句点で溢れた

句点に溺れないよう高速でタイプした・・そして多めに句点を打った

「ボクは君を嫌ってなんかいない。ちょっと苦手なだけだ。それだけだ。」

数秒後に・・句点の豪雨はやんだ


ボクがキーボードをタイプしていないのに・・・・・
画面に文字が表示された

「句点」がタイプした文だった

君は。句点、は使わないけど、・・・や…は好んで使う。のに。フンッ。だ。

句点のヤツは・・ふんだんに句点を盛り込んできた
句点の配置はデタラメだった

まるで・・味の組み合わせを無視して盛り込んだ海鮮丼のように


【蛇足】

午後の陽差しのなかでマルは・・

草野心平の詩集を床に広げて読んでいた

マルがボクを見ながら・・右前足で詩集のページを叩いていた


マルが叩いていたページには「冬眠」という詩があった

奇妙な詩だった

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ボクはマルに聞いた

「コレは詩?」

「無論・・詩人が詩集で発表してるんだぞ」

「・・・・・」

「オマエはこの黒い丸は何だと思う?」


ボクは思いついた順に・・頭に浮かんだイメージを言った

「ホクロ」

「世界に通じる覗き穴」

「虫眼鏡を通過して紙面に残った太陽のエネルギー」

「スイッチ・・紙面の●を押せっ・・今すぐって詩人は叫んでる」

「万年筆のペン先で詩人が紙面に打ち付けたビートの跡・・」

「・・黒い・・句点・・えっ?」


ボクはあることに思い至った

「なあマル・・この詩にはさ・・句読点を打つことができないな?」

「この詩人も・・句読点が苦手だったとか?」

「大きな句点1個を・・しかも内部を黒く塗りつぶしてるから・・内部には」

「何も足せない・・」

「黒い句点1個で・・詩は始まり詩は結ばれている・・始まりと終わりを表す黒い句点」

「・・冬眠の始まりと終わりは眠ってる時間の中では同一だ・・区別がつかない」

「始まりであり終わりである・・終わりであり始まりである・・」


それ以上はお互いに何も話さなかった


しばらくして・・ボクはマルに聞いた

「詩が・・好きなのか?」

「無論」

「誰の詩が?」

「ランボー、ヴァレリー、萩原朔太郎、佐藤春夫、金子光晴・・・・・」

「どれも知らないよ・・」

「それじゃ、オマエの好きな詩人は・・いったい誰なんだ?」

「ジョン・レノンだろ・・ボブ・ディラン・・うーんと・・レオン・ラッセルと・・ボノ・・
 それから・・忌野清志郎と桜井和寿かな・・」

「素晴らしい・・彼らの作品は・・オレのココに届く詩だ」
マルは右前足で拳をつくると・・左胸をトントンと叩いた

ボクは続けた

「女流詩人なら・・中島みゆきと荒井由実かな・・」

「素晴らしい・・それと・・」

「それと・・誰?」

「吉田美和」


日はとっぷりと暮れ部屋も暗くなったので明かりをつけた

マルが右前足を挙げて・・上を見ろとしぐさでうながした

天井に嵌めこまれた丸い窓は・・黒い句点だった

真っ黒で何も見えないが・・疑いなくそれは空と星を望む句点だった


Leon Russell 「 Tight Rope 」




let's talk a lot

'13-08-17 17:00
盛岡市材木町「よ市」

宮沢賢治が本やレコード買っていた材木町
「注文の多い料理店」を出版した光原社のある材木町

よ市
毎年4月~11月の毎週土曜日15時~19時に材木町の商店街を歩行者天国にして行われる・・祭りの夜店と生産者市をミックスしたもの
ちゃんこ汁の屋台があった・・市内の老舗トンカツ屋がコロッケを売ってたり、地場の野菜や三陸産の蒸し牡蠣を売っていた


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東京から奥州市に帰省し、盛岡に立ち寄った友人O
目指したのはここ
盛岡の地ビール「ベアレンビール」の直営ビアパブ
そのビアパブの前にベアレンビール販売所

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蒸し牡蠣とベアレンビール・アルトが美味かった


友人Oが話してきた

「新橋で飲んでたらさ、周りの客がドラマ半沢直樹のこと話してるんだよ・・
 みてる?」

「1回もみてない」

「剣道のシーンが効果的に挿入されるんだ・・実は、会社にに剣道経験者の上司が 
 いるんだけど、指示や交渉や会話が独特で上手いんだよ・・
 自分の意見や方針は全て絶対に通す人なんだけどさ・・」

「剣道の間合いとかが役立ってる?」

「うん、おそらくね・・剣道やったことある?」

「ない」

そっか、だからオレは会話が下手なんだな・・



'13-08-18 11:30
十和田市現代美術館


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盛岡〜十和田間のクルマでOから聞いた話

職業グラフィックデザイナーそして「新宿ゴールデン街の良心」O
Oが話してくれる交遊録はいつも面白い

Oの人柄なのか・・彼の周りには風変わりな人間が集まる
今回のドライブの目的として美術館はサブだ
メインはOの話をたくさん聞くことだ
そのために往復320kmのドライブをしたんだから

ブログでは公開できないネタばっかりだったんだけど
公開してもダイジョブそうなネタを1つ


画廊に勤務するY氏
ボクは面識がない

Y氏は酒を飲む
飲酒は毎年ほぼ365日
飲酒はほぼ外飲み
飲酒はほぼ1人飲み
そして1人飲みの克明な記録をブログで公開

Y氏は電車に乗り東京都内の下車したことのない駅を選んで降りる
そしてここぞという居酒屋に入る
カウンターに1人座り1人飲む
店主との会話なし
周囲との会話なし
1人飲む
ペースが速い
地元大阪の行きつけの店ではウイスキー水割りがビールジョッキで出てくる
大酒飲みだからじゃない、ペースが速いからだ
そしてトコトン酔う

居酒屋に入ってみるとカウンターがない店もある
3人と相席になった
3人はそれぞれ1人飲み
4人が全く会話なしに1人飲み
手練れの1人飲みの方々
筋金入りの手酌の方々

ある日は4人の家族連れ・・子供を含む家族連れのテーブルで相席になったY氏
家族4人とは会話を交わさず1人飲み
1つのテーブルに2つの世界観が展開する
初対面の家族連れと相席でもペースが速い
トコトン酔うまで終わらない1人飲み


【蛇足】

'13-08-19 盛岡市菜園 20:00

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秋田市の「ハタハタ博士」取材の前日に盛岡でトランジットなライターMさん

「ライターのSもそうだけど・・Mさんも丹念に取材して事実を積み上げていくから・・
 かなわないよな・・」

「何言ってるんですか・・そっちは路上の石1つ見ても、そこからストーリーをつくるじゃないです
 か・・」

「でもさ・・オレは文筆業でもなんでもない、ただの・・なんだけどね」

Mさんが聞いてきた

「どうしてその仕事を・・その分野を選択したんですか?」

「・・・村上龍のさ、何とかのエクソダスってあるじゃない?」

「" 希望の国のエクソダス "」

「そうそれ。希望の国のエクソダスを出版したときのインタビューで・・
 村上龍が・・現代で最もエロティックなのは金融だって言っててさ・・
 それが創作の動機だって・・」

「金融が官能的かあ・・」

「オレはそのインタビュー読んだとき、あっそっかって思って・・
 仕事は・・金融も製造もサービスも農業も・・そのヒトのさ・・
 どっか深いトコロに届く仕事を選べばいいんだなって・・上手く言えないんだけど・・
 それとねオレにとってだよ・・ダイナミクスがあって・・
 ビートやリズムがある仕事がいいなって」

「そっか・・ビートがいっぱいありますよねえ」



山下達郎 「僕らの夏の夢」(映画「サマーウォーズ」)




鉈屋町

盛岡市鉈屋町

古い町家が残る界隈
映画「時代屋の女房」の盛岡ロケで撮影が行われたらしい
ネットで検索したら・・夏目雅子演じる謎のオンナの故郷は盛岡って設定だったんだね


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「大慈清水」 鉈屋町にある湧き水で4段の石組み井戸になっている

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一番井戸;飲み水
二番井戸;米とぎ水
三番井戸;野菜・食器洗い水
四番井戸;洗濯物すすぎ水

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盛岡三清水・・「大慈清水」「青龍清水」「御田屋清水」
宮沢賢治も散歩中に好んで飲んだと言われる

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ボクも飲んだことがあります
ボクが行くバーは日替わりで三清水のどれかを汲んできてるから
酒の合間に口中をリフレッシュする水は清水なんですよ


【蛇足】


実は夏だしね・・怪談が書けないかなって思っていた

ミスチルのライブDVDを観ていた
「Pink〜奇妙な夢〜」
突然・・怪談が書きたくなった・・イヤになるくらい単純だ

・・・・・30分待ってもアイデアがでてこない
35分待っても・・西からも・・東からも・・どこからもやってこない
何も起きない誰も訪ねて来ない風は吹かない


マルはというと・・軽快にマックのキーボードをタイプしていた

最近お気に入りのテキスト・エディタ「OmmWriter」
文章入力に集中できるのが良いらしい・・

・・今度ボクも使ってみようかな・・?


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The Beach Boys 「God Only Knows」




Tumbling Dharma

「達磨さんが転んだ」
Wikiによると
「遊びなどで十まで数える数え方、10文字の文章でちょうど10拍になる・・」と、ありました。
そっか1拍がもし1秒なら・・10秒間の数え方なんだなって思った。


明治に暦が改まりちょうど十年。
暦にこよりを挟むように、歳(とせ)の節目を区切るような年に
九州南部で蜂起した集団・・この国にまだ残っていた武士という名の集団でした。
彼らの装備は旧式だった。
主要装備の大砲は、砲身が発熱するために連射ができなかった。
初弾を放つとすぐに砲兵は、柄杓で水を砲身にかけ冷却する必要があった。
何度も。何度も。
水をかけ続けても冷却に要する一定の時間は次弾を発射することができなかった。
ひい・ふう・みい・よお・いつ・むう・なな・やあ・ここ・とお・・秒

砲兵隊長は叫んだ。
「射てっー・・・・・次弾込めー、砲身冷やせー」
隊長はゆっくりと10秒の時を数えた。
「だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ・・射てっー!」


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「達磨さんが転んだ」と鬼が叫んで振り返ると、周囲の人間が動きを止めるのは・・何の暗喩なんだろう?
1~10までの10個の数を数えたら・・次に数え始めるまで動きが・・時が止まる
これは何のメタファーなんだろう?

神話が示唆する何かの象徴か?

寓話の動物が諭す何かの教訓か?

十進法のサイクルを強調する空白か?

歌唱にひそむ息継ぎか?

それとも・・「LOVE AFFAiR」における音にならない囁き・・か?


17才の高校生タミルは同じクラスの今日子と中央公園にある東屋のベンチに座っていた。
2人の男女は友人だった。少し事情は複雑だった。
隣町との境に位置するのに「中央公園」という名称が複雑なのではない。

2人は、色の好み・季節の好み・好きな雲の形・音楽的趣味・「芭蕉 奥の細道でベストの句は?」・「パブロ・ピカソのマスターピースは?」・・どれもが相容れなかったが気が合う2人だった。
タミルは友人関係の男女がときに移行する次のステージに興味があった

タミルは今日子への距離と親密度を変更しようとしていた、何も告げずに。
タミルは新しい回線工事の通知なしに今日子の内面にログインしたかった。
しかし所詮は無茶な話だ。通知は不可避だ。
タミルの目は口ほどには語らないし、パントマイムのセンスは皆無だった。

タミルが心配したのは通知から受けた衝撃で今日子の内面の時間が止まることだ。
それがわずか数秒でも・・そのことで今日子の内部に新たなバランスが出現するのが不安だった。
バランスは重要だ。
ロールケーキよりトップに苺が乗ったショートケーキのほうが断然美しいバランスだとタミルは感じていた。スイーツ界のマスターピースだと思っていた。
つまり。バランスは大事だ。とても。

だが結局は・・タミルは思い切って通知した。

「君の顔が好きだ。君の髪が好きだ。君の肩が好きだ。君の指が好きだ。君の声が好きだ・・・・・」

タミルの発した10個の「好きだ」通知の後も、今日子の時間は一瞬も止まらなかった。
止まらずに今日子は笑った。

「ブハハハハハハッ」

「美人が笑うと怖くなるんだって始めて知った」
「ねっ?美人って凄いでしょ?」

何が凄いのか理解できないまま・・ためしに・・
ホンのためしに、タミルは叫んだ。

「達磨さんが転んだ!」

今日子は笑ったまま・・停止した。
マウス・ポインタまでフリーズしたOSのように。


斉藤和義 「君の顔が好きだ」



【蛇足】

マルが言った。
「そうか。達磨は南インド地方のタミール人だったな」

「気がついたか・・」と、ボク。

「それじゃ今日子は?これは何かの暗喩なのか・・?
 明日・今日・昨日・・時の暗喩か・・?」

「いや・・それは・・暗喩じゃない」

「オマエ・・まさか?」

「・・・・・」

「オマエさ・・たしか小泉今日子のファンだったな?」

「・・・・・」



Time Controller

銀杏並木通りに面したカフェのオープンテラス
日盛りの午後
木洩れ陽の中でコーヒーを飲みながら、H.G.ウエルズの短編小説を読んでいた

イタリア製のロードバイクから降りた男が1人近寄ってきた
サイクル・ジャージにパンツ・・メッセンジャーバッグを背負っていた
右のふくらはぎには「Chronus」と青い文字のタトゥーがあった

「いいかな・・相席?テーブルに1人なのは君だけだからさ・・」

「どうぞ・・テーブルに1人はボクだけだから」

ボクの向かいの椅子に座りヘルメットとサングラスを外した男
汗で濡れた短い黒髪は陽差しで淡い緑に輝いていた
右の瞳はグリーンで左の瞳はレッドだった

「気にしないで・・」

「・・・・・」

「H.G.ウエルズか・・S.ホーキングよりは"時間"について実際的な考え方をしてるね」

「・・・・・・」

彼はボクが「時間」に興味があると思ったのか・・
いや・・こうするためにボクを訪ねてきたんだとでもいうように
「時間」について語りはじめた


時間と空間は相対的なものだと言い出したのは・・あの髪が天パーのドイツ人物理学者A.E.で・・
そう・・あの舌をベーッと出した写真で有名な彼が唱えた理論だ

光の速度は相対ではなく絶対だ・・けど、その光も重力で歪む
すると時間だって相対的にならざるを得ない

浦島太郎が体験したようにね



時間は長い・・とてもつもなく長いワイヤロープなんだ。
実際に長いんだ・・だって地球をぐるっと周回してるんだから

そのワイヤーをウインチで引っ張っている・・キリキリ・キリキリと・・
いや時間だから・・チク・タク・チク・タクとワイヤーを引っ張っている
時の管理人が

そうしてピンと張ったワイヤーは1本の直線となる
丸い地球でも地上が平面に感じるように・・地上を這う時間は1本の直線となるようウインチで
引っ張られ移動する・・ワイヤーはある速度で進む・・
そう、一定の速度で時間は進む

だけどさ・・ワイヤーはゆるんだり・・たるんだりするんだ
いくら一定の力でウインチを回していてもね

どうしてかって? だってワイヤーだからね

でもそれじゃ困るだろ?
あっ、いいかい?これはあのA.E.の理論とは別問題のコトだからね
別次元のこと・・うーん、ややこしいな
次元としての「時間」のことじゃないよ
もっと実際的なことさ

時の管理人がウインチを回すことで進むワイヤーは例えじゃなく実際のコトなんだ・・
現実に存在するのさ・・ワイヤーは

そして、そのワイヤーがゆるむ・・だってワイヤーだもん


ゆるむとイロイロと困ったことが起こる

パスタの茹で上がりが「Buono」じゃなくって悲しくなる

ゆるんだワイヤーの時間のなかにいると「時間酔い」をおこす
体調が悪いわけじゃない、朝ご飯はちゃんと食べてきた、悩みごともない
なのに気分が乗らない、眩暈がする、仕事の処理能力が低下する
そんな経験はないかい?
それが・・時間酔いさ


まっ・・いいだろう

とにかく、ゆるんだワイヤーはピンッと伸ばさなきゃ・・時間は不便なんだ

じゃどうやって・・ゆるんだワイヤーを伸ばすか?

オレたちが空間の時間を・・ワイヤー周囲に付随する時間を・・ちょっと止めるんだ
止まってる間にウインチを回す速度を早めてワイヤーをピンッと伸ばすんだ
伸びたら・・空間の時間停止を解除し
また一定の速度でワイヤーを移動させる

「オレたちはさ・・時間を調節してるんだよ」

この町には「時間の調節人」が数百人はいると言う

「ロードバイクで町中を走りながら、ゆるんだワイヤーがないか・・
 監視してるんだ
 そしてワイヤーの・・ゆるみをみつけたら・・
 周囲の時間をちょっと止めるのがオレたちの仕事さ
 ゆるみがなくなりピンッと伸びたらまた時間を動かすんだ」

「そんなことが現実にあるのかい?」

「あるさ。君だって・・眼鏡のテンプルのヒンジがゆるんだらドライバーで調節するだろ?」

「それとこれとは違う!君の言ってることは理性的じゃない・・」

「おやおや・・招き猫で気象を操る空使いを理解した君なのに・・」

「・・それじゃ・・どうやって周囲の時間を止めるんだ?」

「・・・・・」

男はメッセンジャーバッグから赤い物体を取り出しテーブルの上に置いた

漆塗りの小さな・・掌に乗るくらい小さな・・
「達磨」だった


「え・・?」

「コレを転がす・・そうして周囲の時間を止めるんだ」

「そんなあ・・それって・・達磨さんが転んだ・・?」

「さあな・・ここから先は秘密だ」

「・・信じられないけど・・君たち"時間の調節人"はその達磨を使ってゆるんだ時間のワイヤーを
 伸ばしてる・・」

「そう言ったはずだ」

「達磨で周囲の時間を止め・・また動かす」

「ああ・・」

「君の瞳がグリーンとレッドなのは・・" stop and go "の象徴?」

「考え過ぎだ、ただのカラコンさ・・たんなる悪ふざけだ」

「君たちは自転車で町中を走り・・時のワイヤーのゆるみを監視する・・」

「ああ・・」


「時間の調節人」は達磨をバッグにしまうと立ち上がった
バッグを背中にまわし付属のベルトで腰に固定した
ヘルメットをかぶり黒いサングラスをするとロードバイクにまたがりニヤリと笑った

「自転車に乗ったメッセンジャーのようだね?」

「だから誰もオレたちの存在に気づかない」

「・・・・・」

「俺達は瞬間を調節することで・・おそらく・・メッセージを送ってるんだ」

言い残すと・・男は軽快なペダリングで走り去って行った


12.04.08@3℃.jpg

It was cold day…just 3℃ temperature on the 8th April 2012.
This picture was taken by m a k i. I was riding behind m a k i .
It was amazing " No Look " shot during riding.

Two of us are cyclists. But not " Time Controllers "

Ref.)【 m a k i 論 】; http://maki-ron.blog.so-net.ne.jp/2012-04-08


【蛇足】

マルが左右の前足で達磨を転がし遊んでいた

達磨は何度転がしても必ず起き上がってきた

遊びに飽きたのかマルは振り向くと話し始めた

「オマエの現在は過去からの積み重ねか?」

「そりゃそうだろ・・」

「いいか・・時間は未来から過去へ流れている。
 現在は一瞬で過去になる。現在だったことはちょっと前の未来だ。
 現在の結果が過去なんだ。
 オマエのいる位置が現在なら、オマエに向かって未来がやってきて過去へ消えていくんだ」

「・・・・・・」

また達磨を転がしながらマルは言った

「七転び八起きか・・・
 いったいオマエは今まで何回・・転んだんだろう?
 やめろ、振り返るな・・過去は現在の結果なんだから」

マルには止められたが僕は振り返った

「あのなあ・・オレが言ったのは過去を振り返るな・・だ!
 姿勢として振り返ってどうするんだ、イッタイ・・
 首を後ろに向けたら過去が見えるのか?」

「・・・・・」

「オマエに向かってくる未来で・・あと何回転ぶんだろ?
 なんだか不安だなあ・・オレ」

ボクは" あっけらかん"と言った

「ダイジョブ・・何度でも起き上がるから」



Casablanca 「As Times Goes By」



【 m a k i さんへ 】
写真転載を了承して頂きありがとうございました



Strange Face

充分にオッサンなボクだ
つまりは・・ボクだっていい大人だ

いくらお願いされても出来ることと出来ないことがある
やって良いことと悪いことの分別はあるつもりだ・・だった


G0001091@.jpg



数年前のこと

前職のときに参加した夏祭りの打ち上げ会場でのことだ

ボクが人前で踊るなんて・・とんでもないので・・打ち上げからの参加にした

開始から30分もすると座がなごんできた

1時間もすると座が・・ゆるんできた


真っ赤になって「飲め飲め」と各テーブルを回って酒を注ぐ男
若者と古参が同じテーブルで賑やかに語り合い・・
中堅同士が同じテーブルに集まり・・祭りの話題は一切なく、仕事の話でため息を吐きあい・・

そうこうするうち


数人ごとにあちこちで
デジカメやケータイで写真を撮っている光景が目に入った

記念写真とかに興味のないボクは撮る側でも撮られる側でもなかったが


5人の20代前半の女性スタッフにボクは囲まれた
「撮りましょー!」 1人がそばにいた若い男にデジカメを渡して撮影を頼んだ

6人で撮ってもらった写真を液晶モニターで見て・・
5人が口々に言った

「あーっ、1人だけ変顔してないー!」

勿論、ボクのことだ・・変顔なんてしたことがない

「変だ変だー」

変な顔しないで変ってどういうことだよ・・?

5人は「撮りなおし、撮りなおしだね、やっぱり」とか口々に言っていた

「できないよ・・」と、言ってやんわりと断ったつもりなのに

「じゃ簡単なヤツおしえるね・・不二家ペコちゃん・・舌を上にぺろっと出してみて・・
 目玉を両方横に動かして・・」

どうして、20代前半の小娘に・・いやいや女性に「おしえるね」って言われなきゃなんないんだ・・
イラッとくるより逃げ出したくなった

でも今夜は・・無礼講な夏祭りナイトだ

「さっ、もう1回撮ろう!」もう1人から背中をポンッと叩かれた
なんで・・ため口なんだ?
なんで・・背中をポンッなんだ?

「さっ、もう1回」で背中をポンッて・・オマエはオレの上司かよ?
・・とは言わない、だって無礼講ナイトだ

せっかく盛り上がってるんだから、そこに水を差すのもよくない

本格的な変顔は無理でもペコちゃんだったらできるだろうし・・
まっ、やってみるか・・


頑張った・・そうこれでも・・3回も写真に撮られた

デジカメの液晶モニターで写真を見た5人は・・ブハハハ笑い出した

「舌短いー、ウケるんですけど!」
急にやれって言われて舌が上がるか?普段やってないんだよオレは

「キャハハハ、変な顔してるー」
変顔したんだよ、そりゃ変な顔になるんだよ、違うか?

3人の女子はゲラゲラ笑っていた
オレは怒って・・いやいや、ブレーコー・ナイトなんだ・・
オレは・・作り笑いで照れ笑いをつくっていた


【蛇足】

2次会はカラオケ

酔っていた・・トコトン酔っていた

引きずっていた・・
変顔がうまく出来なくて笑われるってなんだ?
いいじゃないか変顔が下手だってさ・・

いや・・それより情けなかったのは
若い女性スタッフに一緒に写真を撮ろうと誘われ
" おっ、オレって意外と人気あるじゃん "って思ったことだ
好かれてなんかいなかった・・イジりやすいと思われてただけだっだ
好かれると・・イジられるじゃ・・全然違う!


オレと同じく打ち上げから参加した
同い年の仲の良い男が寄ってきて、隣に座った
「若い連中と音楽の話をしたらさあ・・連中さあ・・なんにも分かっちゃいないんだよ、ロックを!
 だからさー・・オマエが歌ってくれよ・・本物のロックを!」

男は酔っていた
首から外したネクタイを額に巻いていた

額にネクタイって・・コントでもやらないぞ今時

「いいよ歌わなくたって・・」
最初は断っていたが・・酔いの波に脳が洗われ・・変なことを口走った

「よし・・3曲歌うぞ・・本物のロックを」

「・・・・・」

「1曲目でさあ、会場を暖めてさ・・2曲目で会場を感動で包み・・
 3曲目でアンコール前ラス曲のように会場を盛り上げる・・」

歌った  
RCサクセション「雨上がりの夜空に」→Rolling Stones「Angie」
→U2 「Sunday Bloody Sunday」

ネクタイを額に巻いたオッサンが踊りながら叫んでいた 「イエィッ」

歌い終わって席に戻ると20代前半女性スタッフから言われた

「怖かったです」

「は・・?」

「怖いですよ・・曲に入り込みすぎなんだもん」


3次会は断り・・1人で入ったラーメン屋でビールと餃子を注文した

ビールを飲みながら・・思った

歌を歌って怖いって言われるなんて・・


1曲目  ライブのキヨシローのように・・叫んでいた
「ガッタ・ガッタ・ガガガッ・・・」
3曲目  コーラス部分で・・ボノが観衆に訴え観衆を煽る真似をして・・
メチャクチャな英語で何かを語っていた・・・

うん・・うんうん・・これは怖い・・しかも・・かなり

そっかー・・怖いよな
納得したら妙にスッキリした

「すみません・・生中もう1つ」

奥のテーブルにいた女の子2人
1人がケータイでもう1人の写真を撮っていた
ビール・ジョッキを持った女の子は、ジョッキを顔の横につけると・・
口の端から舌を上に突き出し
片目は閉じて笑顔をつくった

心のなかで叫んだ

ウマイッ!


帰宅し眠っていたマルを起こして「変顔」を撮った

翌朝、写真をみるとアウトフォーカスでボケボケだったけど

マル・・変顔が・・ウマイッ!


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U2 「Sunday Bloody Sunday」



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