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Mr. X said " Absolutely "

友人のMさん
オフ・ビートな女性
生業はフリーランス・ライター

彼女がお気に入りの・・新宿ゴールデン街の小さな酒場「G」
5席のカウンターと小さなテーブル席の酒場「G」

Gに集う客達は・・常連歴30~40年以上という強者ぞろい

集まる客は・・こんなかんじだ
詩人・出版人・演劇人・コピーライター…「文字関連」
画家・グラフィックデザイナー・装丁家…「絵心アート関連」
サラリーマン・自営業・フリーランス・無職・年金受給者・ゲイ・ストレート・学者・無学者
音楽家・音痴…「関連なし関連」
正体不明…「?関連」

これらの客が順列組み合わせで出入りする酒場

多くの常連客が60~70歳代で中には80歳代後半の方もいる
40歳代は最年少の部類という年齢構成のGのカウンター

30代半ば手前・・どうも女性の年齢表現には気をつかう
要するに妙なる齢でGに出入りを始めたMさんは
周囲の常連客からすれば、殆ど娘のような存在


カウンターの常連客は酒も好きだが会話も好きだ
いや、話すのが好きだが聞くのは・・・・・

5席のカウンターで隣り合った客同士で話してる
お互いが話してるが、それは時に対話ではない
交互モノローグ(独白)状態になる

モノローグ;monolog 単独のログ
そう、1人「 Log in 」状態の5人がカウンターに並んで
ビールをゴクゴク、ウイスキーをグビリ、焼酎をプッハーしながら
1人「 Log in 」の 5人がモノローグを繰り広げる
中には何を言ってるか分からない方だっている

常連客の多くは、何かを創作したり発信する仕事の方が多い

それなのに・・彼らは酒場でも・・まだ発信・発言したいのだ
出力好きのオッサン達が集う店なんだ


数年前、この酒場に1人でふらりと現れたMさん
ほどなくMさんは酒場Gに足繁く通うようになった
つわもの常連客の仲間入りしたMさん
そうこうするうち・・ある事情で
週に1度は彼女が代理ママをやることになっていた

客としてのMさんを気に入っていた常連客が週に1度のMママ目当てに集まり
毎週水曜日の酒場は賑わっているらしい


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ボクは前職まで東京を訪ねることが多かった
30代前半から、東京に行くたびGに顔をだしていたので
常連のオッサン達にカウンターでよく揉まれていた
Gでは若造の部類のボクにしては健闘していた・・と思う
オフ・ビート(風変わり)な常連客が繰り広げる
オフ・ビート(非日常)な夜
オン・ビートなボクにしては健闘したほうだ、ときには無茶もあったが


そしてGでは、ボクとMさんはクロスしていない
この数年間ボクはGに顔を出していなかったからだ


ボクが気に入ったMさんから聞いた話

常連歴30年以上・・つまり30年以上の飲み仲間の男達がカウンターに3人
60歳をゆうに超えた人生のベテラン3人
水曜日カウンターへの出場はほぼスタメンな3人

2人は話好きだが、1人無口な、いや殆ど無言で酒を飲む方がいるらしい

つまりこうだ・・1人「 Log in 」状態の2人のオッサンは対話なのか独白なのか区別のつかない話を
展開している
その2人の横で、「無言サイト」に1人「 Log in 」状態で飲み続ける方


無口な紳士を仮にX氏としよう
出版社勤務
辞書・辞典関連の方
飲み仲間の愛称の由来に文法上の不備があるからと、断固本名で呼ぶ方

この方が無口とは・・無口も雄弁に感じるのは現場にいないボクだけか?

周囲は語る・・X氏は無言
周囲は喧騒・・X氏は無音

人の話を聞かず自説を展開する2人
相手の話の矛先をひょいとやり過ごし、自分の話の鼻先を突っ込む2人
相手の話に蓋を被せて、自分の話の蓋を開ける2人

混沌な2人と・・秩序なX氏
疾風怒濤な2人と・・平穏なX氏

「夏草やつわもどもはまだ夢をみる」な2人と・・
「しずけさや岩に染み入る音も無し」なX氏

勝手な自説を展開はするが・・カウンターに無言で佇むX氏が気になる2人
X氏の見解が気になるらしい

なにしろ仕事が辞書・辞典だ・・
友人の愛称の由来を文法に照らし合わせて検証する方だ
自説を評価してもらうにはうってつけの方だ

例えば・・こうだ
2人があるコトについて話していた
さんざん勝手なことを話していても・・
仲違いせず1つ処に30年以上通い続けた同士だ・・
最終的には共同作業で結論を導きだすらしい
すると・・今度は、その導き出した結論が気になる2人
「この結論でいいのか?」
2人は、それまで無言飲酒中だったX氏に意見を求める

そのとき・・座は数秒間数デシベル静かになるらしい

X氏がその結論に賛同を表明するときは・・たった1つの単語を発するだけ

「無論」

それを聞いた、還暦をゆうに超えたオッサン2人は
我が意を得たりと嬉しくなり、少しはしゃぎ
さらに大きな声で対話を再開するらしい


そんなX氏も好みの話には複数単語の文章で反応するらしい

X氏は縄文好き・・そう、Mさんが推察した件

一般に目にする自生の植物・野草には帰化種が多いのだそうだ
元々は日本のものではない外来種・・植物の外来種を帰化種というらしい
タンポポなど普段目にする草花にも帰化種はとても多いのとのことだ

ある植物の美しさ・可憐さについてMさんがX氏に質問した
彼の答えはこうだった

「アレは良いですね・・きっと御先祖様も愛でたに違いありません」

御先祖様も愛でたとは・・その植物は帰化種ではないとの示唆
Mさんは察知した・・御先祖様とは、縄文人のことだな・・
Mさん自身が縄文好きだからこそ察知したのだ

それからしばらく経ってからのことだ
MさんはX氏に話しかけた

「今度わたし取材で青森の三内丸山遺跡に行くんですけど。
 Xさんは行ったことはありますか?」

「無論」


相手の話に蓋を被せて、自分の話の蓋を開ける方々
相手の意見の中に自説を溶かして混沌な煮込みを作る方々
しかし、相手の話を聞いてないようでいて、意見を求められればキチンと答える方々
そして、相手の意見を全否定したり、完膚無きまでやりこめない方々
なにより、意見が食い違っても笑顔のまま・・意見の相違を楽しんでる方々

混沌の中にリスペクトがある

X氏は感じとっているのだろう、喧噪のなかに漂うリスペクトを

X氏は今夜も喧騒に耳を傾け、無言で酒杯を傾ける・・のだろう



Neil Young 「Heart of Gold」



【蛇足】

ジム・ジャームッシュが手持ちカメラを持ち込んで
モノクロフィルムで酒場「G」の常連たちの生態を撮影すれば・・
オフ・ビートな映画ができるのにと思ってるのはボクだけなんだろうか?



ミルクを飲み終わったマルがボクに言った

「オマエはいつだって・・無論じゃないか・・
 論理がない、論旨は支離滅裂、すぐに架空へ入り込む・・」

「無論はそういう意味じゃない。そういう・・オマエには論理が・・?」

'80~'90年代に柄谷行人、蓮實重彦に影響を受けたというマルは言った

「オレは批評精神をもった・・ポスト・モダンな猫だから」

「は・・?」

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A Crisis

まだ20代だったときのことだ

ある城下町に在る町家の界隈をクルマで走っていた
運転はボク、助手席には友人
一方通行の細い道に入った
クルマ1台分がぎりぎりの道幅だった


前方に一方通行の道を逆走して向かってくる1台のクルマが見えた

「えっ、何だよアイツ、ここはイッツーだろ、知らねーのかよ・・」

クラクションを押そうとした手を止めた


ベンツのEクラスだった・・色はなんと・・ピンク!

メルセデスのカラー・ラインナップにピンクがあるのか・・
再塗装なのか・・

運転しているのは太った中年男、ツルツルに剃った頭に黒サングラス
助手席にはもっと年かさの痩せた男、こっちもツルツル頭に黒サングラス
こんなルックスの方々がピンクのベンツEクラスに乗ってやってきた

キツイ・・状況だ

見た印象からは・・第一次、二次、三次産業のどれにも属していなさそうな方々
負のサービス業の方々だろうか?
基本給なし、有給休暇なし、労働組合なしの業界の方々だろうか?

そんな容姿の方が・・ピンクのベンツEクラスに乗って・・一方通行を逆走してきた

キツイ・・


クラクションなんか押すわけがない
5年落ちトヨタ・カローラのシフト・レバーを左手で握り
ギアを3速からリバースに入れバックを始めた・・


クラクションの音が聞こえた

勿論ボクじゃない!

またクラクションの音が聞こえた・・外から聞こえる!

後方からこっちに向かって来るクルマがルーム・ミラーに写っていた


オイ・・後ろからクルマがこっちに来てるよ

そりゃそうだ、それが正しいこの道の進行方向なんだから
ツルツル頭・黒サングラス・ピンクベンツEクラスが後ろのクルマからは見えないんだろうし
クラクションも鳴らすだろうさ

一方通行をバックで逆走してくる不審なクルマに出会ったら
ボクならどうする?
そう、クラクションを鳴らす

仕方ない・・ブレーキを踏んでクルマを停めた

助手席の友人にボクは言った 「おい!」
友人はほぼ同時にボクに言った 「どうしよう?」

ヤベエ・・かなり

その時ボクは見た
ピンクのベンツEクラスを運転席する男が笑ったのを
唇の右端がつり上がっていた・・

「笑ってる・・?」と、ボク
「イヤ。怒ってる顔だろ・・?」と、友人

そのときだ
またクラクションの音が響いた
さっきとは違うサウンドだ・・しかもたて続けに3回
クラクションを鳴らしたのは・・前方からやって来るピンクのベンツEクラスだった!

友人が正しかった、運転席の男は笑ってなんかいなかったんだ


「行けッ」ボクは叫んだ
助手席から友人が外に飛び出て後ろへ走りだすと同時にクルマのバックを再開した

友人が後ろのクルマの連中に説明していた

後方のクルマはすぐにバックを始めた

2台のクルマが逆走バックでその道から脱出した


数分後・・
汗も引き気分も落ち着き、友人に聞いた

「後ろから来たクルマさ、オマエが話したら文句も言わずにすぐバックしたよな。
 オマエさ・・何て説明したの?」

「・・ありのまま」


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'80~'90年代前半までは、ある職業のヒトがその職種特有の雰囲気をまとっていた最後の時代じゃないだろうか?
それから後の時代のことだ・・その人の職業を聞いて
「えっ、みえないねぇ」 なんて会話が頻繁に交わされるようになったのは

'80~'90年代前半までは、怖い方々は・・怖い身なりと行動でサインを送っていた
だから近づかなくてすんだ

考えてみて欲しい
胃潰瘍にサインとしての「痛み」がなかったら
胃に穴があくまで気がつかない

これは危険なことだ・・とても

ノー・サインのプレーには危険がある・・


JAWS 「Theme From Jaws」



【蛇足】

ところで・・近年、オトコもオンナも見た目が若作りになってないか?
危険だ・・


ボクは、酒場のカウンターで1人飲んでいた
右隣は空席でさらに右隣は女性が1人で飲んでいた

「先月も1人で来てましたよね?」

「は・・?」

「ほら、先月の最後の金曜日・・その時も話しましたよね?」

「いいえ。人違いでしょ・・」

カウンターの向こうの店主がボクの記憶を否定した
その日にボクはこのカウンターにいたらしい
そして彼女と話していたらしい

それから彼女との会話が始まり30分くらいしたときだ

「わたしがいくつ(何歳)かあててみて・・」

『興味ない』

とは・・言わなかった
ボクだって無意味な諍いは避けたい

そして、この質問には慎重な考察を加えないと危険だ

この手の質問をしてくる女性は実年齢より若く間違えられるのを経験している
それだけじゃない・・
間違えられることを期待しているんだ

ボクは彼女を見て慎重に値踏み・・いや年齢読みをした
サバ読みしてる女性の年齢読みだ・・慎重にコトを進めないと
考察の結果は・・40才が妥当な線だろう・・まっ、間違いないな

そこから、5才を引いたら彼女も満足だろう・・考察から導いた結論だ

ボクは自信を表情から消し、さりげなく言った

「35歳・・かな?」

ほら・・次は君が実年齢を言う番だ
君の年齢を聞いたボクが大袈裟に驚いてみせて、こう言うからさ
エッ、嘘でしょ?ホントに・・いや、全然みえないよ・・

ところが・・35歳というサービス年齢を聞いた彼女は、不機嫌に言った

「33歳だもん!」

それでも・・数秒後には彼女の機嫌はなおった
回復が速かった
ダウンはしたけど、レフェリーがカウントを数える前に立ち上がった彼女は
こう・・言った

「あっ分かった、分かった。ふざけてたんでしょ?そうでしょ、そうでしょ?」

そう、ボクはふざけていた
ふざけてなかったら、40歳と思ったのに35歳とは言わない

若作りはするなら実年齢より若く作ってもらわないと・・危険だ
周囲の空気が緊迫する・・実年齢が分かるサインをくれ!


タグ:GR

Sky Handler

7月 暑い日の午後のことだ
ボクは町の約1/3を見下ろせる丘の上にいた
ボクの脇には1人の男が立っていた

"この町のエンジン"を操作している三毛猫から紹介された男だ
(Ref; http://c-boys.blog.so-net.ne.jp/2013-04-26



「いいかオマエは・・空を見ていろ」

そう言うと男は、鞄から陶器の招き猫を取り出した
招き猫の頭を男が撫でた

「ほら・・・」

空の雲が流れていった

「見えたか?」

「ん・・」

「じゃ、もう1度。今度ははっきりと分かるように、さっ、見ていろ」

男が招き猫の頭を撫でると・・
雲が南東から北西へ移動し地平線に達した・・

「今度はこうだ・・これなら分かるだろ?」
そう言うと、男の指は招き猫の頭を移動した

「あっ・・!」

雲が西から東へ横移動した・・違う、空全体が西から東へ移動した
スクリーン上の映像が撮影カメラの横移動で動いたように

「分かったろ、空を動かしたんだ。オレは・・空使いなんだ」


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コレは幻覚ではない
神話からこぼれ落ちた幻想でもない
寓話が語る非現実なエピソードではない
手にすることができない真理でもない
手でつかみ引っ張るとキリキリと音がする、そんな現実だ
乱暴に扱うと指に怪我を負う、そんな現実だ
触ってみると冷やりと硬い感触のある現実だ、そう招き猫の頭部の現実だ

ボクの眼前に展開した空の移動は・・現実だった
15:00 夢をみるには早すぎる時間だし、何よりボクは眠っていなかった

男は説明を始めた・・淡々と

招き猫の頭部がジャイロ・コントローラーなのさ
前頭部~後頭部にかけて指でなぞると、ボクの頭上で半球状の空は南北に移動した
左側頭部~右側頭部にかけて指でなぞると空は東西に移動した
招き猫の頭部を指を自在に移動させると、空は自在に思うがままに移動した

招き猫の右前足をスロットマシーンのレバーのように、顔の脇から腰の位置へ下げると空が低くなった
ボクは空が落ちてくるのかと不安になった

「杞憂だ!」男は言った

右前足を顔の脇に戻し、さらに肩関節より後方に移動させると空はとても高くなった

「天高く馬肥ゆる秋」ボクが言うと、男はとがめるように咳払いした・・


気分を落ち着けてボクは・・言った

「あなたが伝説の空使いの一族なんだね・・」

「伝説じゃない、現実だ。オレの名前は鈴木一郎、ほら平凡な現実だろ?」

「イチローは平凡じゃない・・スペシャルだ」

「・・・」

「どうしてあなたたち一族が空を操ってるんだ?」

「気象は複雑だ、そして時に困ったことも起きる・・だろ?」

「大雨、台風、竜巻、大雪・・」

「そうだな。
 いいか・・地表80kmまでの重力に捉えられた気体が大気なんだ。
 大気は・・太陽からの熱エネルギー、海洋・河川の水蒸気、緯度や地表の
 形状から影響を受ける。さらには地球の自転・公転による季節の影響。
 そうこうして大気の気温と気圧の変から・・複雑な気象が生まれる・・」

「何が何だかよく分からないな・・」

「そう、物事は複雑にすると本質がぼやけるんだ、気象も哲学も・・恋愛もだ」

「・・・・・」

「そこでだ。混沌と複雑系がないまぜになった気象の機嫌をなだめるのが、
 オレたち一族の仕事だ」

「機嫌をなだめる?」

「あまりに混沌で複雑だと気象の予測が困難になるだろ?
 気象が機嫌をそこねて天気が荒れ狂ったらどうする?」

「それで・・気象の機嫌をなだめる」

「そう、気象の混沌と複雑を少しだけ整理するんだ。
 ほんの少し空を移動させることでね。
 ほんの少しさ、だから世間の連中は誰もオレ達の仕事に気づかない」

「混沌で複雑な気象が暴れないようになだめシンプルにする修飾詞のような・・存在」

「そう、幾重にも紡いだ重奏からソロパートを抽出するように・・」

「重層的で主題を見失った料理に輪郭を与えるスパイスのような・・」

「そうだな・・」

「マティーニに浮かぶピメント入りオリーブのように・・」

「まさか!
 そんなに自己主張はしないさ。空使いがでしゃばったら気象が大変なことになる」

「それじゃ・・ソース焼きそばの・・」

「・・紅生姜だな」



「どうして、そんなに難しい仕事を続けているんだ?」

「ロマンが好きなんだ・・」

「・・・・・」

「この招き猫ジャイロ・コントローラでオレ達は大空を航海してるんだ!」


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Pirates of Caribbean,Main Theme



【蛇足】

ソファで眠っていたボクの腕をマルが舐めるので目を開けると

マルがそこに立っていた
胸を反らせ、腰を落とし、まるでスフィンクスのようなポーズだ
スフィンクスと違うのは・・
右前足を挙げ顔の脇に固定していたことだ

ボクはマルの頭をおそるそる撫でてみたが、空は変化しなかった

ふと部屋の時計をみると、液晶パネルの表示は・・23:30

エッ? 
外は日盛りの午後のような明るさで・・空は青かった

どうしたんだ・・?

振り返ると・・

マルが右前足を前後に・・グルグル回していた


Time

夏の日の午後
友人とのとりとめのない会話


縄文時代は1500年間も続いたらしい
1500年間も縄文人は縄文人として暮らしたのか・・
あまりに広大無辺な時間でボクの脳では把握できない


手近な時代でいうと・・
今年は平成25年
昭和1~25年 この時代の激動ぶりと比べて
平成1~25年 この時代は激動ってあったんだうろうか?


手近なヒトから友人が聞いた話
友人の知人65歳は東京生まれ東京育ち
知人65歳は母親が41歳のときに生まれた
65歳だから昭和23年生まれだが・・祖母は慶応年間生まれ
つまり江戸時代のヒト
慶応生まれの祖母は言っていたらしい
「天保生まれの人間は古臭い」
慶応生まれの東京府民は、いや江戸の民は天保生まれを古臭いと揶揄していたとは
これこそ、今も昔も変わらないね


昼寝は毎日してるよ ボクは言った
だってマルは05:00に声を出して催促し始めて、05:30に朝ゴハンだもん
昼寝しないとボクの脳のポテンシャルじゃもたないもん

だから濃厚な人間なんだね 友人は言った

友人が言うには・・日本のある哲学者が言ったらしい

ヒトは時間をどうすることもできない
だからワタシは眠る
覚醒時間を恣意的に短くして
短い覚醒した時間を濃厚に生きる


イヤ、ボクは朝が早起きで眠くなるから昼寝してるんだって



日が少し傾いて陽差しが柔らかくなった夏の午後
ミントを買ってきてモヒートを飲もうか・・

それから・・遅いシエスタ


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Joe Walsh 「Over and Over」



【蛇足】

ボクはある疑問を口にした

「スペインとかでさシエスタってあるじゃない
 あれってどうしてなんだろ?
 民族全てが眠くなるって変だよね?
 昼は暑くて活動するのが大変だからかな?」

「夜に活動するため」

「・・・・・・」

もし、それが事実なら・・

真実はいつだってシンプルなものだ


Rain Drops

梅雨空の朝

葉からこぼれ落ちずに残った雨粒が水滴になっていた


葉の上の3Dなドットの水滴

プクッと膨らんだ形がキュートな雨露が・・
あんまり可愛いものだから・・

「甘露」という言葉が生まれたのか?


【甘露】(デジタル大辞泉から抜粋)
1.中国古来の伝説で、天が地上の仁政に感じて降らす甘い露
2.天上の神々の飲む甘い霊液
3.煎茶の上等なもの
4.夏に、カエデ・カシなどの樹葉からしたたり落ちる甘い樹液
5.非常に美味しいこと。甘くて美味なこと。
 また、そのさま。「ああ、甘露、甘露」


エッ、「5」は知ってたけどね、それ以外は知らなかったな。

調べても存在しないので、勝手に新しい意味を"脳内 My 辞書"に追加します


6. 3Dなドットの雨露がプクッと膨らんだ形がキュートであまりにも可愛いさま。「ああ、甘露、甘露」

葉からこぼれ落ちずに残った雨露を見て・・ボクは呟いた

「ああ、甘露、甘露」


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5. 非常に美味しいこと。甘くて美味なこと。
  また、そのさま。「ああ、甘露、甘露」


伝承によると・・
恵比寿様が飲んだとされる黄金色の液体
その液体を・・飲み込んだ後に
マルとボクは同時に呟いた・・

「ああ、甘露、甘露」


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Madonna 「Rain」



【蛇足】

葉の上のランダムな配置の水滴を観て思った・・

「やるなー、表面張力
 頑張ってるなー、界面張力」


小学生のときに定期購読していた「学研の科学と学習」
いつも夢中になって読んだ
特に科学による"不思議の解明・謎解き"にワクワクした

かつて地球上の大陸は1つだった・・読みながらドキドキした
"プレートテクトニクス"という言葉をそのとき知った

オッサンになった今になって・・情けないが・・こう思う
ボクの中に知識とか教養と呼んでいいモノがあるとしたら・・
その90%は・・「学研の科学と学習」から獲得したんじゃないのか?

小学生のときは、「学研の科学と学習」を読めば読むほど
"リコー"になっていく気がした

だから今も
小学生の知識・教養で
水滴をみて、表面張力を連想するんだな

しかし・・

中学生用の「学研の科学と学習」は存在しなかった
それでボクの"リコー"の工程は停止した

やれやれ

ソファで眠っていたマルが起き上がり床に降りると
背骨をUの字に曲げ、お尻を突き上げ背伸びをした

マルが話しかけてきた

「中学生になるとオマエは"理"から"情"の世界へ興味を移した
 "不思議"から"不可思議"な存在に惹かれるようになった
 オマエの人格を形成したのは・・音楽・本・映画・・
 そう、音と物語から受けた影響で造られた人格なんだ」

「・・・・・」

「それから好奇心だけがフライングして走りだす」

「それじゃ・・僕自身が獲得した"自我"は・・?」

「・・ない」

やれやれ


マルは、ほらコレを見ろと言って床に爪で書き始めた
何かの数式だ・・

「これか・・?
 水滴の半径と表面張力から、水滴の内圧を計算してるんだ」

「・・・・・」

「ほら、オマエの"好奇心"とオレの"探究心"はさ・・全く別物だから」

「オマエはいったいナニモノなんだ?」

「猫だけど」

そう言って"不可思議"な猫は大きな欠伸を・・"3"回した


Weekend Event

'13.07.12(Fri)

迷っていた・・決断しかねていた

もう・・"若気の至り"では済まされない、年齢なんだ

無茶はできない

迷い・戸惑い・不安・期待・希望・・が重なったミルフィーユ
どうしても決断できないでいた

ふいに・・母親の口癖を思い出した
彼女はよく言っていた

『いくら悩んだってね・・
 モノゴトはなるようになるんだよ。
 それと、忘れちゃいけないよ。
 オマエ次第でね・・
 モノゴトはどうにでもできるんだよ・・』

決めた

決断には勇気が必要だった
でも少しなら・・勇気は上着の左ポケットに入っていた


'13.07.13(Sat)

今日が決行の日だ・・

誰にも相談しないで決めたことだ
行動の結果はボクにも想像がつかない
結果がどうであれ後悔はしないつもりだ


13:00

ボクはマクドナルドのカウンターの前に立っていた

今日はスペシャルな日なんだ!

そう・・ボクは1000円のハンバーガーを食べることにした

「ブラックダイヤモンドを1個・・」
カウンターで告げたボクに店員はこう言った
「申し訳ございません。
 ブラックダイヤモンドは12:00で完売となりました」

「・・・・・」

完売なら、在庫がなければ、立ち去るべきだ・・でもそうしなかった

「ダブルチーズバーガー1個・・ポテトのLとコーラのL」


帰り道

住宅街の一角に小さな畑があった

陽が差さない曇り空の下
緑の葉に囲まれた南瓜の花は・・
黄色に光っていた

まるで勇気の化身のように


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Lynyrd Skynyrd 「Saturday Night Special」


【蛇足】

実は・・1000円バーガーが売り切れと言われたとき少しホッとした

週末のイベントとして体験してみたかったのは事実だ
しかし、あのハンバーガーの入った不必要に豪華な箱をカウンターで
手渡されたらどんな態度で反応していいか直前まで迷っていた

ダブルチーズバーガーはいつもの味だった
あのジャムみたいなケチャップもいつもの味だった
プラスにも振れず、マイナスにも揺れず
以上でも以下でもなかった

こうして週末に計画したイベントは・・あっけなく中止になった


タグ:DP2 M

3 was gone

6月のある日、ボクの町から「3」が消えた


最初に失踪が始まったのは"数字の3"だ

6月のカレンダーは・・3・13・23・30日が空白になった
だから・・ボクが「3」の失踪に気づいたのは"ある日"になった

ボクの腕時計の文字盤から3が消えた
秒針は2と4の間にできた空白部分を速度も変えずに通過した

電卓・レジスター・PCキーボードのテンキーから3が消えた
ケータイや銀行ATM・・あらゆるキーパッドから3が消えた

それでも・・本来3であった空白の部分を押したり叩いたりすると反応した
次の失踪が始まるまでの・・数日のことだったが


次に"3の実質"が消えた

最初にそれが起きたのは、町1番と評判の天麩羅屋でのことだった
客の目の前で海老天丼の海老が3匹から2匹になった

その後も町のあちこちで"3の数字と実質"の失踪は続いた

町のあちこちで困ったことが生じた

カップ麺用の砂時計は2分で砂の落下が止まった
茹で上がり具合がハードなアルデンテになった

ギターから3弦が消えた
Gのない不協和音なギター

マラソン大会の表彰式で3位の選手の足下から表彰台が消えた
1人だけ地面に立ったランナーが不憫だった

そして・・キーパッドの空白分を押しても叩いても・・反応しなくなった


次の失踪が始まると町は機能不全になった

最後は"3の概念"が消えた

町の中に存在した三角関係はすべてが円満に解消した
しかし四角以上の複雑な人間関係の不和が発生した

町が機能不全になった原因は・・社会における人間関係の"ギクシャク"ではない

駅前ロータリーは変形してクルマの走行が困難になった
クルマ自体にはもっと深刻な問題が起きた
ホイールとタイヤが変形したことだ

円がいびつに変形した
球が滑らかさを失い"ギクシャク"した


『これは・・円周率から"3"が消えたんだ・・!』

そして町は機能不全になった


3の数字が消えた
3の実質が消えた
3の概念が消えた


6月のある日、ボクの町から「3」が消えた・・


ラシオから流れていた「ロクサーヌ」からギターの音が消えた・・

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The Police 「Roxanne」



【蛇足】

「マル!」
ボクの声に反応して出てきたマルの姿はどこも変化していなかった

マルは欠伸をして、右前足の肉球を舐めながら言った
「オレはマルだからさ・・丸とか円じゃないんだから・・」


「どうして・・3は消えたんだ?」

「ほら、3は地味だろ?それに・・3は苦労が多いだろう?」

「え・・・」

「三日坊主、石の上にも三年」
「我慢・忍耐・辛抱か・・」

「三尺下がって師の影を踏まず」
「礼節か・・堅苦しいなあ・・」

ボクは意を決して諺に詳しい猫に反論した

「ミスター長嶋茂雄、栄光の背番号3」
「それは、諺じゃない!」

マルの話は続いた

「二度あることは三度ある」
「三度目は勘弁して欲しいな・・」

「二人三脚」
「協力・協調は大切だけど・・実際は、歩きにくい」

「三人寄れば文殊の知恵」
「殆どは三人目が解決する役目で苦労が多いんだ」


マルの推測は・・こうだ
3は地味だ、働きものだ、苦労も多い、疲れもする・・

「3だって愚痴りたいときもある・・3も酒を飲んで騒ぎたいときもある・・
 10進法の残り9つの数字に丸投げして休みたくなった・・それで消えた?」

「そうじゃない。オマエは今頃3が豆腐の中で休んでるとでもいうのか?」

「じゃあ、どうして3は消えたんだ」

「3は頑張ってるのに・・誰も誉めてくれない・・」

「えっ、どういうこと?」

「3は・・拗ねた」

「そんな・・・」


「考えてみろ、1番大変なのは円周率だ・・3.14・・・・・」

「・・・」

「円周率は殆ど・・3なんだ」

「3がほぼ単独で円を支えている・・それなのに誰も3を誉めない・・」


隣の部屋に行き、何かを探し始めたマル
隣の部屋からマルは鞄を持って戻ってくると、ボクの足下に置いた

「その鞄は・・"キリン"が持って来た鞄・・だよな?」

「そう・・"退屈な幸福"が入った鞄だ・・だからさ・・」

「そうか・・もしかすると、そうだな!」

鞄を開けて中を探してみると・・あった


マルと一緒に屋外へ出て、鞄の中の"3"を取り出し空気中へ放った

数秒後・・おそらく"3秒後"に・・町の機能は回復した

マルがボクに催促した
「ほら、早く言えよ・・大きな声でハッキリと!」

「エッ・・」

「また3が消えたら困るだろ?」

「ありがとう"3"」
「もっと」
「いつもご苦労"3"」
「もっと」
「カッコイイよぉ"3"」


腕時計の文字盤に戻った"3"がキラリと光った

夕闇の中・・キラリと光ったマルの瞳は・・歪みのないキレイな円形だった



タグ:3

old fashioned words

クルマのラジオから・・
そうレディオじゃなくてラジオから

ロッド・スチュワートの歌う声が流れてきた

「アイム・セクシー」

クルマのラジオを・・カーラジオといってた昔々に人気だった曲


ふいに思ったこと


#1. 
ロッド・スチュワートはわざと下手に歌ってないか?
声が出せない感じっていうか・・酔って歌ってるような感じっていうか
ミック・ジャガーっぽく歌おうとしてないか・・?
でも歌が上手いのがバレバレだよなぁ

#2.
昔々はディスコ・ミュージックっていうジャンルがあったな
あっ、ローリング・ストーンズもやってるねディスコ・ミュージック
「ミス・ユー」
レゲエにもすぐ手を出したストーンズだもん
そりゃディスコ・ミュージックにも手をだすよね

#3.
あっ、今年は平成になってもう25年
・・ってことは、今から道路を歩く人達・・連続30人に質問してみると
2/3くらいは・・「ディスコ」って知らないなかもな・・


オッサンなボクは平成生まれのナウなヤングの言葉を理解できないことがたびたびです

分からない言葉で話しかけられると・・闘志が湧きます

そっちがその気なら、コッチだってと・・
「ディープ昭和」な言葉で対抗します

ディープなって表現じたいが昭和ですけどね・・


ロッド・スチュワートの「アイム・セクシー」を聴いたとき・・

「この曲イカスなぁ、ノリノリじゃん」


オッサンは疲れます・・もう仕事したくないときだってあります

「ああ疲れた疲れた・・グロッキーだぁ・・これじゃ仕事終わって家に帰ったら
 バタンキューだよ・・午後は会社ドロンしちゃおうかな?」


オッサンもたまには張り切ります・・職場の飲み会で乾杯の発声

「さぁみんな、今夜はハッスル・ハッスルでフィーバーしよう」
「・・・・・」
返事はありません


オッサンだってクリスマス・イブにはプレゼントが欲しいです・・どんな?

「バッチグーでルンルンなプレゼント・・」


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Rod Stewart 「Da Ya Think I'm Sexy」




オッサンは女性を食事に誘っても断られます
「ゲロゲロ」
昭和生まれの女性でした



【蛇足】

今日は七夕
マルの食事は、いつものドライフードじゃなく・・ちょっと高級な缶詰


「マル、今日の食事はどうよ?」

「クソうめェ」

「・・・・・」



Green

'13.06.30(Sun)

早朝に近所の公園を散歩



#1 公園のベンチ

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ベンチの奥に広がる広場は・・日光浴が気持ち良いところ



#2 公園の噴水

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この石組みの物体は・・噴水です・・水が中央から吹き上がります
公共施設を造るとき"気合い"入れちゃうから、こういうの最近増えてます
アートな噴水もいいけど、長閑な噴水も造ってくれないかな・・



#3 遊歩道

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道路の左側が公園広場、右側の森の奥に小さな神社があります



#4 梢をみあげる

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遊歩道でカメラを真上に向けると・・「わぁ葉緑素がいっぱい」

ああ・・"モヒート"が・・飲みたい



#5 公園の近くにあるパン屋

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美味しいパン屋さんです
内部が全く見えない外観のパン屋さんです
オープン当初は・・「ここはパン屋です」の立て看板が路上にありました



Superfly「Piece of my heart (Janis Joplin)」



【蛇足】

'13.07.01(Mon)

FIFAコンフェデレーションズカップ2013 決勝
ブラジル強いなぁ・・

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タグ:GR 公園

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